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その先まで、いってみよう

今年も、コロナウイルス感染症対策をしながら、市内企業へヒアリング調査に伺っている。
調査は主に、ワーク・ライフ・バランスの進捗状況で、女性従業員の育児休業からの復帰の様子や、男性の育児休暇取得状況、女性管理職の登用などだが、『働き方改革』後の有給休暇確実取得や、長時間労働削減の実態なども併せて伺っている。

先方は、経営者か人事担当者が多く、概ね50代以上だが、たまに40代の方もお会いする。
最近よく耳にするのが、「若い人には欲がない」ということだ。

…自分たちの20~30代の頃は、格好いい車に乗ってモテたかったし、給料も多い方が良かった。
若いうちに昇進できたとしたら、認められたと思えて嬉しかった。

なのに、今の若い従業員は、そうじゃない、と多くの方がおっしゃる。

…そこそこ動く車なら、あまりこだわりはない。
残業をたくさんしてまで稼ぎたくない。
自分の時間が減るから、会社の人ともあまり深く付き合いたくない。
責任が重くなるから、管理職にはなりたくない、とか。

ほどほどに給料をもらえて、ガソリンとケータイ代が払えればいい、という人もあるようだ。

先日お会いした社長さんも「彼女欲しくないの?」と聞いたら「めんどくさいんですよね」と返ってきて驚いた、と言われた。

何が問題なのか、と言うと、そういう若手の皆さんのモチベーションを、どうやったら上げられるか、と言うことが、経営者や人事担当の皆さんのお悩みなのだ。

そのためにキャリアコンサルタントができること、と言う本筋はおいておいて、私が思うのは、きっと、格好いい車に乗れて楽しい、とか、彼女に良いところを見せることができて嬉しい、とか、先輩や周りの人たちと少しだけ深い繋がりができて、あてにしてもらえる、といった経験をしたことがないんだろうな、ということだ。

人生山あり、谷あり、というけれど、ほどほどの付き合いだと、その山や谷の高低差は少ないだろう。
その分、痛い思いもあまりしなくてもいいのかもしれない。
ただ、味わえる感動も、幸福感も少ないような気がする。

社会人は、経験することで成長する。
恋愛も結婚も、仕事も趣味も、やってみないと楽しいか、嬉しいか、自分に合っているかも分からない。

人生を切り拓く、なんて思わなくていいから、少し心が動いたら、もう少し先までいってみたらどうだろうか。


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