そりゃ帰るよね〜② 地域支援事業で在宅支援
家族から週末だけお泊りの希望があった近所にお住いの方。
土曜日の夕方に来たのですが、
本人にしたら、家は目の前だし、泊まる理由もなく
結局、夕食後に家に帰る事になりました。
次の日の日中までホームに居る予定だったので、明日の日中にホームに来るお約束をし、家まで送りお別れしました。
さて、次の日の朝。
お約束は10時。
迎えに行くと
しっかりと昨日のお約束と私の事を覚えていてくれ(メモ書きと名刺を置いて帰ったから?)、
私をお家へ招き入れてくれました。
お家に入ると
「どうぞー」
「昨日はお邪魔してしまって失礼しました」
と丁寧に笑顔で(スリッパも出してくれて)迎えてくれます。
しっかりと身ぎれいにもされています。
ホームに来た時の表情とは別人です。
昨日の夜よりも部屋が片付いているようにも感じました。
詳しくはわかっていないようでしたが、昨日のメモと予定が書き込んであるカレンダーを見せてホームに来てくれることになりました。
「化粧もしてませんから」
「準備します」
と奥に行って準備を始めましたが物の場所がわからないのか準備に手間取ったらしく
「色々失くしてしまって時間が掛かっていますし、待たせるのは悪いので先に行ってて下さい。後で行きますから」
とおっしゃいます。
なんという気遣い…
私も人を待たせられない達なので気持ちがわかります。
本日の新聞がリビングにあったので
「新聞読ませて頂いてよろしいですか。読みながら待ってますから」
と言って実際にはnoteを読んで待たせてもらいました。
正直、新聞が取ってあったのは驚きました。習慣なのかしら?
新聞を取って、部屋を片付けて…などは日々の習慣なのかも知れません。
安易な入居はこれらの習慣を取り上げてしまうので
出来る限りお家で生活する事を大切にできたら良いと思いました。
他にも、出掛ける準備は持っていく物を思案し
バックも鍵も確認していました。
戸締りもいつもしているのがわかる程自然な動きだと感じました。
そのまま外に出て
一緒にホームまで行きました。
昨日来たとは言え、
やはり緊張しています。
他の利用者さんも気を使って色々とお話ししてくれたり
おしゃべり大好き職員が盛り上げたりしましたが
笑ったり答えたりはするのですが
ずっと一点を見つめていて
自分から質問したり話したりするような様子は窺えません。
お昼を食べ終えたら、
丁寧に
「ありがとうございました。お世話になりました。失礼いたします」
と玄関に向かってしまいます。
止める理由もなく、一緒に帰りお家の玄関でお別れしました。
何もやる事がなかったから退屈だったのか?
それならば、
次は夕食づくりを一緒にやってみよう!
と考えて、
2時間後に再度お家にお迎えに行く事にしました。
インターホンを押すと再度快く招き入れてくれ
30分程お家で楽しくお話しをしました。
「私もあそこに入ろうと思うのですが、お部屋はいくつあるのですか?」
「皆さん何をしているのですか?」
と何度も聞いてきます。
恐らく、なんとなく老人のホームという認識を持っているようで、
「入らなくてはいけない」
と心配している様に感じました。
実際にそんなつもりではないし
現実的にもホームは満室なので
そのように伝えました。
「晩ごはんを作って一緒に食べましょう」
と、夕飯づくりのお約束をして
再度、ホームに行き
夕飯に取り掛かろうをしましたが、
「今回は結構です」
とやってくれませんでした。
そりゃ、そうですよね~。
知らないところに来て、急に料理しませんよね~。
結局、
趣味のスケッチブックを持ってきましたがここでは行わず
ピアノの先生の演奏を
「ピアノ好きなんです」
と熱心に聴いていました。
ピアノの演奏が一通り終わると、
「では失礼します」
と玄関に向かってしまいます…
さすがに、あと30分くらいで夕飯になるし
家族が迎えに来る予定なので、
そう言って今回は引き留めてみました。
その時に
「本当ですか?」
と言う一言があり、
「騙されるのではないか」
と言う気持ちもあったんだな
と思いました。
夕飯を食べ終えると
丁寧にお辞儀をして家族と一緒に帰っていきました。
在宅で大変な方の力になる為に
地域支援事業として
柔軟に泊まれたり
ホームに遊びに来れたりする
というサービスを今回行っていますが、
この方と関わって
このサービスを通して
在宅生活が継続できたら良いな
と改めて思いました。
安易な入居は生活習慣を奪ってしまうし
生活習慣が奪われると
何をして良いかがわからなくなってしまいます。
家族が、週末独りなのを心配して
このサービスを希望されましたが、
あくまで、私の評価としては、
食事等を提供したり、
エアコンの温度調節を管理できれば、
それほど心配ではない
と感じました。
そして
まだまだ一人で生活し続けた方が幸せなんじゃないか
とも思いました。
それなので、
家族の不安解消の為
位の気持ちで
ホームの地域支援事業を使ってくれれば
在宅生活を継続し続けられるのではないか
と思いました。
本人にとっては
ホームを
ご近所さん
位の認識で
来てくれるようになってくれれば理想的です。
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