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彼女との出会い

彼女を好きになったのはいつからだったんだろう?って思う。

今思うと過去の恋愛は最初に好きになれそうか友だちか判断していた。【恋愛対象になれそう】からやっぱり友だちってかなって思うこともあるけど、【友だち】から恋人はなかった。

お友だちの頃

彼女はママ友だった。
出会いは、近所の児童館の赤ちゃんクラス。初めての育児で家で何をして1日を過ごせばいいのかわからなくて毎日児童館に通っていたら、同じように通う人と友だちになった。彼女は2人目の育児休暇中。年齢は下だけど、子どもは同級生。毎日会って話して「また明日ね!」って。学生時代のようで楽しかった。
初対面のときはどう思ったかな。あまり覚えてないけど、話しやすくてキレイな人だなって思った気がする。仲良くなるうちに、彼女来てるかな?って思って通うようになったし、今日は来ないんだなってわかると楽しいが少し減るような気がした。

いまならもう好きじゃん?って思うけど、これぐらいはギリギリあるよね。
仲の良い友だちとしてギリギリ。ないのかな?

まだお互いに結婚していたし、彼女と恋愛をするなんて想像もしていなかった。でも恋愛感情はなくても人として大好きだった。いつもポジティブで、やさしくて、児童館に来る初めての人がいたら、様子を見て一番に話しかけるような。「自分が人見知りで、ドキドキする気持ちわかるから」って。
彼女のまわりにいる人はみんな笑ってて、みんなに好かれていて、でもボスみたいな感じではなくて、どちらかと言うとイジられるタイプ。キレイなのに天然でかわいくて、大人になってできた大好きな友だち。

嫉妬のような感情

だからなにかのときに、彼女が夫婦関係がうまくいっていないって言ったときは本当に驚いた。こんな人が家にいるなんて、彼女の旦那さん羨ましいなって思ってたから。咄嗟に「もったいない!」って言ってた。
全部は言えなかったけど「うちも結構しんどいんだ」って話を初めて人に打ち明けたよ。お互いにちょっと困った顔をして、みんないろいろあるね。頑張ろっかって。そうか、そのときはまだお互い夫婦関係を頑張ろうって思ってたのかな。

彼女の離婚

仕事復帰をして、児童館に通わなくなってからも何ヶ月かに1度は集まって公園に行ったりして。「離婚したー!」って報告してくれたときはすごいスッキリした顔をしてたね。あまりにキラキラした顔で言うから、咄嗟に「いいな!」って言っちゃった。
私といえば、その前日もながーーい説教で「疲れた。明日予定あるし、これ以上話したくない…」ってため息ついて部屋を出て行こうとしたら背中に椅子が飛んできたから。でもそんなことになるのも全部わたしに原因があるって言われて、夫が嫌い、夫が憎い、でも別れられないと思っていたから、離婚して笑うあなたに心からいいな!って思った。

恥ずかしさと怖さで相談ができない

ああ、ぜんぶ相談したいなって思った。でも、こんなに嫌な生活なのに、そんな生活を選んでいることも続けていることも恥ずかしくて、言う勇気がなかった。夫がおかしいと思うけど、話して夫と同じように「あなた(私)も間違っている」って言われるのも怖かった。

彼女がくれる自信

「新居は狭いけどいつでも泊まりに来てね!子ども同士も遊ぶし大歓迎だから!」って言ってくれて、何度もふたりで遊んだね。「家帰りたくないー。ここに住みたい!」ってボヤくわたしに、「いいよ!今日から住んで!」って笑うけど、でもボヤく原因は聞かない。わたしも全然言えない。その代わり「本当に住んでくれたらめっちゃ楽しそう!ハッピーホーム、ハッピーライフ」とタマホームのようなことを言う。

ああ、私と一緒に暮らしたらハッピーだと思ってくれるんだ。嬉しいな。
そんな風に笑いながら少しづつ、ゼロに近かったわたしの自信を積み上げてくれてた。彼女には敵わない。無自覚の最強の優しさに気づいてるかな?
彼女がくれた自信で、わたしはやっと元夫に「もう無理。別居したい」って言い出せる勇気が持てた。

心から嫌だけど、もしこの先彼女と別れることになっても、彼女は一生大好きな人。友だちから恋愛対象になって、また大好きな友だちに戻る。絶対嫌だけど、もしそうなったら絶対それがいい。だめだ。それがいいけどそんなの嫌すぎて泣きそう!あの頃も大好きだったけど、今日はもっと大好き。
彼女は友だちから恋人になった初めての人。


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