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2024年上半期、見た映画の話

さあ、今年も参りましょう。前半で見たのは6作品。


1.北野武「首」(1月15日TOHOシネマズ日比谷)

めちゃくちゃおもしろかった。北野武監督やっぱすごいなと思った。

こんな上手い戦国物は見たことがない…これに比べると「どうする家康」はカスや。←アウト でも大森南朋の表情が全然違うから比べてみて。
北野映画の面白さって、役者・ビートたけしの強みを監督がいちばんよくわかってるってとこだよね。たけしが秀吉役をやったらもうそのままで秀吉そのものなんだよ。なぜならたけしの人生が秀吉と同じだから。存在自体に説得力がある。
3人のたけし(信長=たけし軍団の「殿」の頃のたけし、秀吉=今の老境の大御所のたけし、茂助=まだ何者でもない頃のたけし)を補助線に、武士にとって大切な「首」、武士になりあがるために必要な「首」、武士としての価値観を持たない者には何の意味もない「首」のズレを描いていく。
時代劇ではあるけど、ある意味たけしの自伝ともとれる。たけし自身は有り余る才能と幸運で頂点に立ったけど、その下には無名のたけしになれなかった者たちの死体がごろごろ転がり、たけし軍団時代のパワハラもそういう時代であったとはいえ、今では許されるものではないと客観的にとらえているように思う。(ちょうど松本人志の事件が同時期に起こったのは象徴的に思えた。あれも昔なら当たり前だったが結局それを改めないまま続けてしまったために時代の変化とギャップが生まれたところが問題だった)
これもある意味集大成だけど、あと1作くらい北野映画撮ってほしいな。見たい。

2.「PERFECT DAYS」(1月24日TOHOシネマズ渋谷)

向こうの人から見た東京の魅力ってこう映るのか、と新鮮だった。こんな素晴らしい映画を作ってくれた渋谷区長の長谷部健とユニクロの息子Pありがとう。この少し後に何十年も逃亡していた桐島聡が平山と似た生活をしていたと聞いて、ヴィムヴェンダースもしかして桐島と接触してない?と思ってしまった。前科があるからああいう生活してるって描き方だったもんね。(まあ前科があったら公務員になれないわけだがドイツ人監督がそんなこと知るわけないってことも全然ありうる。ほら普通に路駐してたし)


3.「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」(1月28日TOHOシネマズ渋谷)

はい。これもスラムダンクと同じで俺ら世代へのご褒美ですね。人間関係でもそうですけど20年も経つと嫌なところは忘れていいところだけ覚えてるみたいな。あとディスティニーみたいな議長は悪いやつなのかどうかわからないままもやもや行くんじゃなくて「ザ・悪!」みたいなわかりやすい夏休み映画みたいな構図が良かったね。シンアスカこんなにいい子だったのかとか、アスランお前はフリーダムすぎるよとかラクス唐揚げ作りすぎだよとか、もう同窓会の気分。舞台挨拶も見たけど声優陣みんなお元気でよかった。福田監督、故・両澤先生ありがとうございます。

4.「変な家」(4月17日TOHOシネマズ渋谷)

「変な家」がダブルミーニングで間取りの話から因習村に行くとは思わないじゃないですか!

ずぶ濡れの川栄がかわいかった。

5.「トラぺジウム」(関東の東西南北)

詳しくはこちらの記事で。しかし主役の結川あさき、あの怪演でほぼ新人らしい。将来が楽しみすぎる。

6.「ルックバック」(6月28日新宿バルト9)

めちゃめちゃつらい事件があって、「君の名は。」ではそれを回避してみんな死なずに済んでよかったね!って展開だったけど、「ルックバック」はそれを回避して死なずに済んだのは別の世界線で、今の世界線で生きる者はその死を受け入れて現実を生きていかなければならない、という一歩進んだ感。讃美歌モチーフのエンディングテーマも愛する者を失ったつらさを和らげるようなそんな素晴らしい映画化でした。

7.2024年下半期の予定

注目は「きみの色」かな。トラぺジウム行脚で各映画館の音質レベルはわかったので少なくとも豊洲・立飛レベル以上のとこで見たいかな。(希望はチネチッタLIVE ZOUND)音楽映画は音質にこだわっていくと感動もひとしお。そいじゃーね!

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