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2024-2. コンビニ人間/村田紗耶香

これも、どなたかがおすすめしていた本。
それを聞いて、読みたくなって、ずっとAmazonのほしいものリストに入ってた。

主人公は、コンビニでパートをしている女性。
幼いころから、たとえば焼き鳥は笑顔で頬張るくせに公園で死んでる鳥は「埋めてあげないとかわいそう」と言うその違いがわからないなど、「ふつう」ではなかった。
自分が「ふつう」ではないことを徐々に自覚して、大人になったいまは「ふつう」らしく振る舞っている。

「ふつう」らしく振る舞おうとしているからこそあらわれる、周囲の反応を冷静に分析しているような心理描写に惹かれた。そしてすごく共感した。

さくっと切り取れるところを少しあげてみる。

子供の頃スコップで男子生徒を殴ったときも、「きっと家に問題があるんだ」と根拠のない憶測で家族を責める大人ばかりだった。私が虐待児だとしたら理由ができて安心するから、そうに違いない、さっさと認めろ、と言わんばかりだった。
迷惑だなあ、何でそんなに安心したいんだろう(後略)


主人公の勤めるコンビニに新人バイトとしてやってくる男性のことばにも、共感する面があった。

少数派というだけで、皆が僕の人生を簡単に強姦する

普通の人間っていうのは、普通じゃない人間を裁判するのが趣味


都合のいいように理由付けするのも、強姦するのも裁判するのも、自分がする側だったり、される側だったり、してる・されてるのを見てる側だったり、思い当たることがある。

「なんで関係ないのに納得したいんだろう」とか、「なんで関係ない人を納得させようとしないといけないんだろう」とか思ったこともあったな。
私の選択を納得したいというより、私の選択を通して自分の人生を納得したいのかなとか思ったり。

村田紗耶香さんの作品、他のも読みたい。
でも、今はいろんな作家の作品を読みたいので、ちょっとおいておこう。


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