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2024-6〜9.いろいろ

今回は、友だちの勧めで読んだ本の感想をまとめて書いていく。


6.イニシエーション・ラブ/乾くるみ

「最後の2行でひっくり返るから!そのことわかって読んでても全然気づかないから!」と興奮気味に渡された。
実際に読んでみて、友だちが言ってたことにも、帯に書かれていることにも納得した。

『イニシエーション・ラブ』の帯

個人的には、この作品のタイトルが『イニシエーション・ラブ』なところが気に入ってる。
通過儀礼の恋。
誰にとっての通過儀礼かな。


7.スロウハイツの神様/辻村深月

上下巻あわせて700〜800ページほどだったかな...?
友だちは、読書慣れしてない私にはもう少し軽く読めるものから読んでもらおうと考えていたらしく、「どうしようかな」「でもな」とぶつぶつ言って渡すのを躊躇ってた。
そこまで言うならと気になって、読んでみることにした。

結局、すごい勢いで読んじゃった。だいたい電車の中で読むので、「今いいところなんですけど...!」ってところで読むのを中断しないといけないことが何度もあった。

これまでは、一人の作家に絞らずいろんな作家の作品を読みたいと思っていたけれど、辻村深月の他の作品を読み漁りたいと思ってしまった。

友だちは、講談社が推奨する順番(画像参照)で読んでほしいそうなので、そうしてみよう。
『スロウハイツの神様』に出てくる人気小説家の作品『V.T.R.』も読めるなんて感激。

『スロウハイツの神様』の帯


8.カラスの親指/道尾秀介
ネタバレしないように感想を書くのが難しい。
おもしろかった。
でも、何がどうしておもしろかったのかは伝えられない。
ストーリーが展開するまでは淡々と読み進めていたけれど、展開してからは一気に読んだという感じ。


これら3作品を読んで、正直、ミステリーはあんまり向いてないかも、と思った。
私は自分の考えが正しかったかどうかにまず目が向いてしまうようで、それが、なんだかなぁと。

読者が気づくようにあえて書いたようなものであるにもかかわらず、まるで自分が推理したみたいに思ってしまったりして、なんというか、自分の小ささを自覚させられて素直に楽しみきれないというか。
自分の考えが正しかったかどうかにまず目が向いてしまうの、なんかいやだなあ。

そんなふうに思っていたら、『カラスの親指』の巻末の解説にこんなことが書かれていた。

「(前略)僕は解釈の仕方がたくさんある作品を書きたいと思っているのですが、ミステリーという型を使うと、いわゆる真相というのがあってそれ以外に結末がなくなってしまうんです。」

「新刊JPニュース」でのインタヴュー「道尾秀介、新作を語る」より引用

『カラスの親指』の巻末の解説より

引用だったので前後の話はわからないけれど。
そんなふうに考えてる道尾秀介の他の作品、気になる。
でもやっぱり、しばらくはミステリーはいいかな。
とか言いつつ、次に読んだの十角館なんだけれども。


9.十角館の殺人/綾辻行人

「ミステリーはしばらくいいかな」と思っていたけれど、友だちから借りていたし、なんとなく読み進めてみた。

今まで読んだ「ミステリー」の中で、一番好きかも。
「今まで読んだミステリー」が何なのか、自分でもよくわからないけれど。

小説も映画も、なんの前情報もないまま観るのが好きなので、本のジャンルが「ミステリー」だとわかった上で読んだのはこれがはじめて。
『カラスの親指』を読んだあと、本を勧めてくれた友だちに「ミステリー向いてないかも」と話したら、「十角館なんてミステリーのトップオブトップだよ(笑)」と言われて知った。

「自分の考えが正しかったかどうか」なんて考えることなく、ただただ驚いたし、犯人がなぜそういう行動をとったのかがはっきりと書かれているわけではなくて、余白が残されているのがグッときた。

友だちが貸してくれたのは改訂版で、「衝撃の一文」がいい位置にくるように改段落などして調整したんだと、あとで教えてくれた。
そういうところも含めて、好きかもしれない。

ハマりつつある辻村深月の「辻」は、綾辻行人の「辻」からきているということも教えてくれた。もともとファンだったらしい。
そういうつながりを知るのもおもしろいな。


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