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「”さようなら”は、再会の約束の言葉」

朝日新聞社のYoutubeチャンネルで公開されている「Last Days」というショートドキュメンタリーシリーズの一つに、日本最古の総合週刊誌である「週刊朝日」の休刊を追ったものがある。

もともとこの手のドキュメンタリー好きな自分にとって”「最後の日」に密着する”という作品様式は刺さらないわけがなく、ふとYoutubeトップのオススメに挙がって来たのをなんの気なしに開いたところ、見事に泣かされたという顛末。

たっぷりと間を取り、観た人の余白にじんわりと染み込む、そう例えば「M-1アナザーストーリー」のようなテイストが好きな人には刺さるんじゃなかろうか。

先日観た映画の『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』然り(これはフェイクの創作モノではあるけれど)、僕のフェイバリット映画の一つであるベン・スティラーの『LIFE!』(原題: The Secret Life of Walter Mitty)然り、人々に長く愛されたものの、時代の移ろいと共に淘汰されてしまう紙媒体の儚さを描いた作品というのは、なんとも筆舌に尽くし難い感慨をもたらしてくれる。

『LIFE!』の読後感は無類なので未視聴の方は是非。人生に疲れた人にも。間違ってもジェイク・ギレンホールが出ているSF映画の方を手に取ったりはしないで欲しい。同名タイトルややこしい。

今回紹介したものについては、あくまでノンフィクションのドキュメンタリーなのでエンタメ性に特化しているわけではないし、終始淡々と進んでいくのだけれど、そのシンプルであっさりとした描かれ方の中にも当事者たちの仕事への誇りや熱意、無情感などが垣間見える。

「最後の日」を描いたドキュメンタリーでもうひとつ。テレビ大阪が放送していた『和風総本家』の「銀座・鳥繁の焼き鳥職人が引退する回」を思い出す。これも凄まじく泣けた。残念なことに今はNetflixで見られなくなってしまったので、また何かしらの機会が巡って来たらもう一度観たい。

僕にもいつか「ステージから降りる日」「スティックを手放す日」「音楽から離れる日」なんかが来るんだろうか。せめて「続けたい」「続いて欲しい」と思っていられる間は、それがずっと叶うことを願うばかり。

最近あんまり映画観れてないな〜


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