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呼吸と意識の集中について理解を深める

最近の記事では意識の集中についての論文をご紹介してきました。

今回はそんな意識の集中、そして呼吸に関して解説してくれている海外記事をご紹介します。

今回もtrainerroadのホームページより参考にしています。

意訳、要約をしていることを予めお伝えしておきますね。




ご紹介する記事


パフォーマンスやメンタル、スタミナ、集中力を呼吸筋のトレーニングと呼吸のテクニックによって高めましょう。

どのように呼吸をするのかが重要

私たちはほぼ無意識に呼吸を行っていて、呼吸を行うことに意識を向けることはそう多くありません。

無意識で行われる呼吸は他の活動を行うためには大変都合のよいことですが、サイクリングにおいては最も効率的であるとは限りません。

呼吸筋群は主要筋と補助筋の2つのグループに分けることができます。

主要筋は横隔膜や肋間筋、腹斜筋などで、補助筋は首や上胸部や背中の筋肉が該当します。

他の筋と同様、呼吸筋を意図的に働かせることができます。

受動的に行われる呼吸では補助筋に重点が置かれる傾向にあり、主要筋の働きがおろそかになる可能性があります。

呼吸筋の多くは腹部と胸郭にありますが、これらの主要筋を中心に働かせない場合、呼吸を効果的に行うことは難しいと言えます。

補助筋に頼ることでトレーニング中の肺活量が不足するかもしれません。

呼吸をより効果的に行うためには、全ての呼吸筋を用いるような円周型の呼吸を行うべきです。

胸、腹部、背中を使って全方向に呼吸することで「完全な」呼吸のメカニズムができます。


呼吸筋のトレーニングとは何か?

呼吸筋のトレーニングは呼吸筋を強化し、呼吸筋の活動を高めるために行われます。

呼吸筋があまり活発に使用されていない状況であれば、意識的に活動させることでより強くすることができます。

トレーニングは専用の器具によって行うか、もしくは全ての呼吸筋を活動させるようデザインされたテクニックによって行うことができます。


どのように呼吸筋をトレーニングするか?

ほとんどの骨格筋は過負荷によって適応を促すことができます。

これは呼吸筋についてもあてはまります。

呼吸筋のトレーニングは専用のトレーニング器具もありますし、器具を用いなくても行えます。

アスリートは普段のトレーニング中に良い呼吸法を実践することで鍛えている場合もあります。

これはスイートスポット領域などの強度でトレーニングを行う際に、全ての呼吸筋を意識することで行います。

ロードバイクに乗りながら呼吸を意識的にトレーニングする方法が効果的でしょう。

また精神集中と呼吸は密接に関連しています。

呼吸のテクニック(円周型)を用いることで、高強度帯のタフな状況でも集中力を途切れさせないようにトレーニングすることができます。

同様にインターバルのレスト時に行われる精神集中は、よい呼吸法を強化することに役立ちます。


集中の種類

集中にはさまざまな形や形式があり、時間や環境といった要素が関わってきます。

一般的には、一定の強度を維持する際に最も良い集中はAssociative(関連する意)な集中です。

Associativeな集中とは、目の前のタスクに注意を向けることです。例えばケイデンスやルート、パワー、走行しているラインに意識を向けることです。

Associativeな集中には複数の種類があります。

狭い(narrow)集中は具体的なアクションに意識を向けることで、広い(broad)集中は置かれている状況などに意識を向けることを意味します。

また外的(external)な集中は体の外へ向けられた集中で、内的(internal)な集中は体の内へ向けられた集中です。

優れたアスリートは集中の対象をこれらnarrow、broad、internal、externalと様々な対象に意識をスイッチすることに長けています。


呼吸を用いて集中力をトレーニング

呼吸は集中力を高めるための素晴らしいツールとなります。

なぜなら呼吸に意識を向けることは、集中先をassociativeな状態に保つことができるからです。

呼吸に意識を集中すればするほど、呼吸に集中することができるようになります。

特にスイートスポット領域でトレーニングをする際は円周的な呼吸法を意識することでassociativeな集中力を高めることができます。

スイートスポット領域で呼吸に意識を合わせ続けることは容易ではありませんが、インターバル中を通じて出来る限り意識するようにしてみましょう。


不安とレース前の緊張への対処法

レース前に緊張しやすい場合は、腹式呼吸による深い呼吸によって興奮状態を和らげることができます。

腹式呼吸では主要な呼吸筋が動員され、迷走神経を刺激し、不安や緊張といった症状が軽減されます。

このことはウォームアップやスタートラインに立ったとき、またはハードな時間帯においても応用することができます。


集中と呼吸をトレーニング

まずはご自身の普段の呼吸パターンを観察してみてください。

そして次にハードなトレーニング中、そしてリラックスした状態で呼吸パターンがどのように変わるのかを書き留めておいてください。

そしてどのような呼吸数、深さ、リズムがベストなのかを試してみてください。

呼吸ペースを変えることはRPE(主観的運動強度)や不安感、集中にも影響を与えます。

練習を重ねることで、呼吸と集中力を共に鍛えることができるでしょう。



私自身は意識を何に向けるのかと同じくらい、呼吸の調整は高い出力を維持する際に効果的だと感じます。

私の場合、たとえばVO2max系のインターバルトレーニングでは自然と息が荒れてきますが、無意識的に息が荒くなるに任せるのではなく、少し深く息をすることに意識を向けると出力を維持できる時間が長くなるように感じます。

またゾーン2でトレーニングするような場合、呼吸に意識を置きながら巡行すると良いフォーム、スムーズなペダリングにつながるようにも感じます。

普段は無意識に行われている呼吸ですが、深掘ると大変興味深いことが多いものです。

是非みなさんも、呼吸に意識を向けながらトレーニングを行ってみてください。

今回も最後までお読みくださりありがとうございました。


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