雑貨屋さんのひとりごと#10 ハラスメントについて
店舗運営歴18年目、イベント主催歴13年目、「雑貨屋AJUKAJU」の店主で地域活性イベント「雑貨村」の主催者であります松本です。こちらのnoteでは今まで業界で培ってきた経験をメモのように書き溜めていくことで、これから雑貨屋を開業しようとしている人や商売を始めようとしてる人たちのヒントになればと思い書かせていただいております。
本日は「ハラスメント」について書いてみました。
接客業は多くのハラスメントに苛まれます。いまでこそジェンダーハラスメントという言葉がありますが、10数年前にお店を始めた当初は男が雑貨屋をやっているとは思ってもらえず、「男が雑貨屋?」という偏見や、「雑貨屋なんて趣味でしょ?」という軽い言葉を何度も浴びさせられました。認知度と経歴があがれば脱却はしていくのですが、雑貨屋という単価が低い仕事であることから、ビジネスとして真剣に考えていても「本当の生業」とは理解いただけないことが多いのです。
また、当時は女性経営者も同様に、雑貨屋という仕事が「女性」 「らしいもの」として軽視され、彼女の努力や経営手腕が軽んじられることもあったのではないかと感じています。
時代が進み、様々な「ハラスメント」という言葉が社会に浸透してきました。
「ハラスメント」という言葉は、もともと英語の「harassment」から来ており、「嫌がらせ」や「いじめ」を意味します。
一般的には、立場や立場を利用して弱い立場の人に行われる場合が多いですが、対等な関係という場面でも多く行われることもあります。
何でもかんでもハラスメントに置き換えてどうするの。という意見もありますが、ハラスメントというものを考えるきっかけ、そして、私自身も自分が見返すという意味を含め、ハラスメントについて書かせていただきます。
【1】様々なハラスメント
1,パワーハラスメント
2,セクシャルハラスメント
3,カスタマーハラスメント
4,モラルハラスメント
5,ジェンダーハラスメント
6,エイジハラスメント
7,アルコールハラスメント
8.スモークハラスメント
9,アカデミックハラスメント
10,マタニティハラスメント
11,エコハラスメント
12,ペットハラスメント
13,セカンドハラスメント
14,オーバーワークハラスメント
15,リストラハラスメント
16,時短ハラスメント
17,デジタルハラスメント
18,エコハラスメント
19,レイシャルハラスメント
20,ソーシャルハラスメント
21,モラルハラスメント
ざっと20個書いてみまた。これに加え、逆パワハラなど、逆バージョンもありますので、さらに種類は多岐に渡ります。
【2】 雑貨屋における事例
・パワーハラスメント
例:店主がスタッフに対して過剰に指示を出し、必要以上にプレッシャーをかけてしまうことが懸念となる可能性があります。 特に繁忙期など、忙しさに紛れて感情的になってしまうそうなることもありますが、これが原因でスタッフが精神的に追い詰められてしまうことがあります。
例への対策
忙しい時ほど冷静になり、業務の進め方や割り振りを工夫する。
相手の立場で考え、無理な要求を避け、感謝の気持ちを伝えることが大切。
・ジェンダーハラスメント
最初に記載しましたとおり、雑貨屋というジャンルは女尊男卑が多くあった時代背景のせいで、ジェンダーハラスメントに合うことが多々ございます。
対策
仕事は性別に関係なく、個人の能力や得意分野に応じて割り振り、公平な環境を作るようにする。
・カスタマーハラスメント(カスハラ)
例:特に個人経営のお店では、理不尽なクレームや過度な要求を受けることがよくあります。
店舗運営だけでなく、家具屋での修業時代も含めれば、私の経験では、値下げの強要というどこでも起こりうることだけでなく、クレームが暴走した方からの、土下座の強要、蹴りを目の前で止めて威嚇されこと、ドライバーを握りしめた方から「刺さすぞ」と脅されたこと、などなど、事件と呼べることも多々ありました。すべて毅然とした態度で対応させていただきましたが、落ち着かせるだけでも時間をかなり要した記憶があります。ちなみに長時間対応させることもカスタマーハラスメントらしいです。接客業ならある程度は覚悟がいるとも思うのですが、、、難しいハラスメントです。
対策
店のルールを明確にし、顧客とのコミュニケーションを大切にすることが重要です。 毅然とした態度で対応しつつも、顧客との対話は大切にしましょう。
・エイジハラスメント
エイジハラスメントに関しては、特に地域活性を考えて活動する場合、古くから地元で活動してきたベテラン層が、年齢や経験を理由に若手のやり方に口を挟むという問題がよく見られます。イベントや地域貢献に力を入れる雑貨屋の立場からも、そういった古参の人々の関わりが時には活動の足を引っ張ることがあります。自分がそう思われないように気を付けていきたいなと思う所存でございます。
エイジハラスメントの具体的な問題
1, 経験や年齢を理由に上に立つ態度
長年その地域に勝ち続けてきたという自負から、若手に対して上から目線で指導をしたり、自分のやり方を押し付けたりする。それらが、革新的な取り組みを進めようとする際に、非常に大きな障害となることがございます。
2, 責任を取らないのに口を出す
「任せる」と言いながら、実際には細かいところまで口を出し、責任が発生した場合後退するという態度。
3, 新しいことに対抗する
昔からのアイデアの新しいやり方に偏っており、試みやアイデアに対して否定的な態度が多い。古参の影響力が強く、新しい動きを阻害するケースが多々あります。
対策
明確な役割分担と責任の明確化
新参者が入ってくる都度、最初に全員でしっかりと役割分担を決める、それぞれの役割に応じた責任範囲を明確にしておくことが重要です。事態を防ぐために、どの分野で誰が決定権を持つのか決めておく。
オープンなコミュニケーションとルール作り 定期的なミーティングを開き、古い参加者の集まりも若手や新参者が意見を言いやすい場を設けることが重要です。ルールを守って、全員が納得のいく感覚を持って進められる環境が整える
ベテランの経験を尊重しながらも、必要に応じて距離を置く 古参の知識や経験は貴重ですが、全てを受け入れる必要はない。「尊重しつつも、全てを受け入れない」というバランスを求める。
エイジハラスメントに関する教育や啓発活動 地域活性イベントに関わる全員に対して、エイジハラスメントが何であるかを理解してもらうための活動啓発や教育を行うことも一つの手段です。「古参が」「若手が」「新参者が」という主語ベースで物事を進めるのではなく、「古参も」「若手も」「新参者も」の共有ベールで物事を進めることの重要性を強調することで、ハラスメントを防ぐことができると思います。
このエイジハラスメントは、雑貨屋や地域活性化イベントに関しては非常に難しい問題ですが、正しく対処することで、世代を超えた協力体制ができ、地域全体の活性化につながる可能性があると私は考えています。
【3】最後に
ハラスメントに関して、最近見受けられるのは、本来上下関係のないはずのスタッフ同士、店舗同士、出店者同士のような対等なはずの立場同士でも、何気ないうちにハラスメントが発生していたりするということです。
人が集まれば自然と立ち位置は決まっていくものですがございますが、すべてを感情的に受け止めるのではなく、客観的に「この行動はどういう意図があるのか?」と一度考えることで、相手に対する反応を適切に調整できるようになるかと思います。
特にイベント出店の場などは、多くの人が関わり合うため、何でもすぐに大事にするのではなく、柔軟でオープンな姿勢を持ちながらも、自分自身や他人を守るための適切な境界線を考えることが必要です。
雑貨村主催
雑貨屋AJUKAJU店主
松本達洋
▼雑貨村のイベント情報はこちら
https://ajukaju-zakka.shop-pro.jp/