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第28回ジャパンボウル大会レポート「オンライン初の試み・アメリカボウルとの比較」

東京の日米協会では「アメリカボウル」という日本人の高校生を対象にしたアメリカや英語に関するクイズ大会を2018年から開催しています。このアメリカボウル大会は、アメリカのワシントンD.C.の日米協会が開催している「ジャパンボウル」という大会がもとになっています。これはアメリカボウルとは反対に、アメリカの高校生が日本の文化や言語に関するクイズに挑む大会です。

今回は、先日2020年5月30日(日本時間)にアメリカで開催されたジャパンボウル大会決勝戦の模様を日米協会のインターン生がレポートします!


***ジャパンボウルとは***

ジャパンボウルとはワシントンDC日米協会が1992年に設立した大会です。ジャパンボウルでは日本語についての知識や文化についての問題が出題されます。対象は高校生で、出場者は日本語学習年数にそったレベルごとに2人または3人1組のチームで競い合います。(ジャパンボウル大会の公式ページはこちら

どんな問題がでるの?
日本語能力のみならず、日本の文化、習慣、歴史、地理、時事、対日関係などの幅広い分野について、その知識を競い合います。外国語として日本語を学ぶ高校生が、この大会を通して、日本語学習を楽しみ、知識を試すのみならず、知識を得るたり日本文化を体験する機会となっているようです。

ジャパンボウルが今に至るまで 
ジャパンボウルの創設者であるJean Mordenさんを紹介します。彼女は第二次世界大戦でアメリカ海軍に日本語を英語に翻訳をする仕事をしていました。1955年、戦争後も日本語への愛・関心は薄れず日本の言語と文化について修士課程で学びました。その後、高校生に日本語を教える活動をしていましたが、日本語を楽しく学べる方法はないかと考えていました。そして考えついたのがクイズ形式の協議会で、1992年にワシントンDCの日米協会に認められ、大会がスタートしたそうです。ワシントンDCの全米ジャパンボウル大会に加え、最近では全米の様々な州で開催されています。更に、今日ではイギリス、メキシコ、ポーランド等、世界各地へジャパンボウルは広がっているそうです。


***第28回ジャパンボウル大会レポート***

今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインでの開催と変更になりました。決勝戦は、You Tubeでのライブストリーミングで中継され6,000人以上の人が観戦したそうです。今回は、日米協会のスタッフやインターン生も決勝戦をライブ観戦したので、その模様をインターン生がお伝えします!

大会の概要

ジャパンボウル大会は、まず筆記による予選が行われ、予選を勝ち抜いた生徒が本戦であるジャパンボウルに出場することができます。今年は本戦に29の学校が参加しました。本戦の勝者とファイナリストは、日本に訪問することができます。(昨年度は1週間日本に滞在し、東京や北海道、岩手を訪れ、日本の文化や技術、歴史などに対する知見を深めました。日米協会のインターン生もファイナリストたちと交流しました。)

多種多様なクイズ形式!
大会は、日米協会の代表によるオープニング挨拶に始まり、クイズ大会の他にもラッフルクイズやワークショップも開催されました。クイズ大会が始まると、日本語の学習年数によってレベル2〜4の3つのグループに分かれ、生徒たちは3人1組となってクイズに挑んでいました。生徒たちは、30秒など決められた時間内でチームのメンバーと相談して問題に解答します。クイズには、問題を読んで答えるものと、日本語のリスニングをして答えるものがあり、問題の内容も日本の歴史から日本語の文法など多岐にわたっていました。文法では助詞の問題が出題されたり、歴史分野では日本の美術の問題が出題されたりと、難易度が高いように感じましたが、生徒たちが正解していることに感銘を受けました。


決勝戦の問題

アメリカの高校生の日本語技能に驚愕!
ここではインターン生が印象に残ったクイズ問題をレベルごとに(Lv.2、Lv.3, Lv.4) 一つずつ紹介しようと思います。

レベル2
Toss-up roundでの問題です。問題は次の山手線のアナウンスを聞いて、どちらの扉が開くかを答えなさいというものでした。電車のアナウンスは独特の抑揚がありますが、ファイナリストたちは楽々と正解していました。

レベル3
individual-roundでの問題です。スクリーンに表示されている慣用句を使った例文を作るというものでした。「気が重い」や「首を長くする」などの難しい日本語の表現や慣用句を、見事に理解して例文作成をしていました。

レベル4
Toss-upラウンドでの問題です。問題は以下のようなものでした。


( )に入る言葉を答えなさい。
 1おじさん(  )元気になってほしい。
 2毎日ジョギングすること(  )している。
 3母(  )やさいを食べさせられました。
 4図書館に本を借り( )来ました。

この問題、高校生は答えることに苦戦しているようでした。Lv2でもこのような形式での穴埋め問題がありましたが正解者はおらず、助詞は日本語を学ぶ上でかなり難しいポイントなんだと感じました。ちなみに、みなさんは正しく答えられますか?


ジャパンボウルとアメリカボウル

ジャパンボウルをロールモデルとして私達日米協会はアメリカボウルを2018年度から開催しています。今回初めてジャパンボウルを視聴し、ジャパンボウルとアメリカボウルを比較してみました。

出題傾向における共通点
出題された問題に関して、ジャパンボウルでは宝塚やスターウォーズといった団体や作品を問題のトピックとして扱うものが多くありました。アメリカボウルでも、最近のアメリカ映画や音楽にまつわる問題もあります。歴史や言語に関わるものだけでなく、若者の世代が興味のあるトピックも多く出題されるようです。

大会

(2019年第2回アメリカボウル大会決勝戦の様子)

両大会の明るい雰囲気作りジャパンボウルは今回、「ROBO Kanjiくん」という可愛らしいキャラクターを使用し、大会の終わりに日本の曲を使ったチアダンを取り入れるなどエンターテインメント性を感じました。審査員の方々も画面越しの出場者の緊張をほぐすためか明るく少しユーモアを交えていました。
我らがアメリカボウルでも、「カルチャーイベント」というコーナーが第1回、第2回大会ではありました。出場者が英語で会話をしながら楽しく交流できる取り組みをしています。
どちらも大会に出場するだけで楽しむことができたり、出場をきっかけに日本語や英語を勉強するモチベーションがアップされるような工夫をしています。

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(2018年第1回アメリカボウル大会でのカルチャーイベントの様子)


オンラインでの新しい試み

今年のジャパンボウルはオンラインでの実施となりました。初の試みでありながらも、大会運営者や関係者が事前に何度もリハーサルや打ち合わせを繰り返し、入念に準備を行っていたと聞きました。おかげで、オンラインでの取り組みは大成功でした。

YouTubeライブにてオンライン配信したため、世界の多くの人が観戦することができました。私たち東京の日米協会も、実際にジャパンボウルを観戦することができてとても嬉しかったです。コメント欄でもたくさんの視聴者が自身の回答を投稿したり他の視聴者とやりとりをしたりしていて、新たな楽しみ方を発見できたと思います。大会の様子は今でもこちらから観ることができます。


この記事を読んでみて、ジャパンボウルに少しでも興味を持っていただけたでしょうか?参加生徒たちは、毎年の開催のために、本当にたくさん勉強して望まれるそうです。遠く離れた地でも、こうして日本語や日本文化を学んで、日本に来ることを楽しみにしている生徒さんたちがいるということはとても嬉しいですね。

今回はアメリカの高校生が日本についての知識を競う大会でしたが、日本には高校生がアメリカについての知識を競うアメリカボウルがあります。今年度の大会は残念ながら中止となってしまいましたが、興味のある方、ぜひ来年チャレンジしてみてください!ジャパンボウルで学んだノウハウを活かして我々もアメリカボウルをレベルアップさせていきます!


レポート執筆者(日本語・英語)
日米協会学生インターン
・早稲田大学 石神 英美
・東京学芸大学 猪又 望海
・慶應義塾大学 寺崎 千波
・上智大学 小倉 夏子


リンク

ワシントンD.C.日米協会 公式ホームページ
ジャパンボウル 公式ホームページ
東京日米協会 公式ホームページ
アメリカボウル 第2回開催大会報告


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