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オーケストラの日2022 たくさんの質問ありがとうございました!

こんにちは、日本オーケストラ連盟です。
3月31日の「オーケストラの日2022」の配信イベントでは、たくさんのご視聴ありがとうございました!
事前に募集していたオーケストラへの質問は、配信中にお答えできなかったものもございますので、
大変お待たせいたしましたが
今回はみなさまからいただきました質問への回答を掲載いたします。

答えてくださったのは角田鋼亮マエストロ、ライブラリアンの林さん、オーケストラ事務局員の方です。

角田マエストロからの回答!

Q.指揮者は体力も必要だと思いますが、体調などで日々気をつけていることはありますか?

A.おそらく他の方も同じかと思いますが、栄養、睡眠をとることでしょうか。睡眠しやすいように夜にウォーキングに出かけることもあります。指揮者によってはジムに通われている方もいます。

Q.演奏できるできないは考えずに「この楽器」で「この曲を演奏したい!」と思う楽器・曲ってありますか?

A.昔から「ヴィオラ」で「ブルックナーの第4番の第2楽章」を弾くのが夢です。それ以外にも色々と。。。

Q.ボーイングはどうやって決めていますか?
Q.先日Twitterでセントラル愛知交響楽団の本番までの指揮者の過密なスケジュールを拝見し、とても驚きました。お疲れ様です!
その中で、リハーサルの前にボーイングの確認をした、とあるのですが、具体的にどのような事をするのでしょうか?また、ボーイングを、変更するのはどの様な時なのでしょうか?教えて下さい。

A.ボーイングとは弓の上げ下げですが、演奏上、響きの質感、話し方や歌い方、演奏様式に直結する大事な問題です。
大抵の場合、事前にコンサートマスターに決めていただいて、ここはこういうボーイングでやりたいという希望があった場合に現場で調整していく事が多いように思います。中にはご自身もボーイングが書かれたパ―ト譜を持ち込まれる方もいらっしゃいます。

Q.あれだけ沢山の楽器の楽譜を追いながら、団員に指示を出しながら、どうやって指揮をされているのでしょうか?指示出しのために楽譜から目を離した後、楽譜を追えなくなってしまうことはないのでしょうか?

A.大きな音楽の流れは頭の中にありますし、楽譜にかじりついて指揮している訳ではないので、そのような事はないと思います。
現代曲の新曲で各小節拍子やテンポが変わる曲などは、大変ではあるのですが。。。

Q.交響曲のような長い楽譜はどうして覚えていられるのですか?

A.どんなに長い作品でも短いセクションの積み重ねで構成されていますので、区切って覚えていくようにはしています。また交響曲にはある程度決まった形(「楽式」と言います)があるので、それが覚える助けになります。

Q.練習会場と本番会場での、音響の違いへのご苦労(テンポや音の切り方、オケの配置の変更)の一端をお聞かせください。

A.オーケストラの皆さんと発音の仕方、音の長さや音の末尾の処理、楽器間のバランス等を変えて対応しています。テンポを変えることもありますし、楽器の場所や配置を変えることもあります。
教会で演奏する際などには残響が多いのでテンポを大幅に落としたことがあります。またとある球場で演奏したときにはグラウンド上のオーケストラと、観客席のコーラスの時差が長大にあって大変だった時もあります。

Q.指揮者の方は指揮しているときはあたまの中で音符が実際の音になって鳴っているのでしょうか?

A.もちろんです。演奏される前に(1拍前に)次に出てくる音のイメージが頭の中であり、実際出てきた演奏者からの音も聴いています。もしそこに相違があった場合に、それをリハーサルで修正したり、あるいは統合、昇華していきます。

Q.終演後、鳴り止まない拍手で指揮者の方がカーテンコールでステージに戻られる回数について、どのようなタイミング、回数で終わりを決められるのでしょうか?指揮者のお疲れの度合い?時間が押し、早く撤収したいからステージマネージャーが指示?また、もう最後、とコンサートマスターに合図を送るのでしょうか?

A.カーテンコールは、舞台袖に戻ったときにステージマネージャーと相談しながら進めています。最後のタイミングは指揮者がコンサートマスターに「これで最後」と伝えるときもありますし、袖からステージマネージャーがコンサートマスターに手を挙げて合図するときもあります。

Q.コンマスの役割は何ですか?
Q.将来コンミスをやることになっています。そこで、コンミス(コンマス)に1番求めることは何かを聞きたいです。
出来たら、指揮者からの視点とコンマスの視点、どちらもお聞きしたいです。よろしくお願いします!

A.コンサートマスターは指揮者とオーケストラの橋渡し役、あるいは指揮の「通訳者」の役割があると思います。毎回様々な場面で助けられています。全体がうまくいっているときは良いとして、うまくいってないときにどう動けるかが求められると思います。

Q.オーケストラに最近関心を持っているのですが、音楽や楽器の知識がほとんど無く、どのように鑑賞すればよいか分からない状態です。何かお勧めの鑑賞の仕方などありますか?

A.まず好きな楽器や奏者を見つけるのが良いのではないでしょうか?またある程度、曲の構成を覚えると良いと思います。例えば交響曲におけるソナタ形式など。オペラではドラマの起承転結やキャラクターの喜怒哀楽の具合など。

新日本フィル ライブラリアンの林さんからの回答!

Q.一番「やっちまったな!」って思った大失敗はなんですか??

A.……私失敗しないので!!というのは冗談ですが、「違う公演の楽譜を持ってリハ会場に行ってしまった」とか「違う公演の楽譜を持ってリハ会場に行ってしまった」とか「準備してた曲目と違っていた」などの失敗はありません。
しいてあげるなら、入団したばかりの時にあったオペラ・ガラ・コンサートで沢山のミスが起きてリハーサルが大混乱したことはあります。この手の公演は曲目も細かくて多いので、ライブラリアン泣かせなのです。
この時のミスの原因は色々あるのですが、オペラアリアは細心の注意を払って準備するようになりました。

Q.多種多様なスコアやパート譜の入手方法や管理保管はどのようにされていますか?

A.いまはインターネットなどでも簡単に購入できますが、なにかトラブルがあったときに楽譜屋さんだと即座に対応してくれるので、私は信頼おける楽譜屋を通して購入しています。
保管・管理はオーケストラには「書庫」があるので、そこに保管しています。
曲数が膨大なので管理は大変ですが、今はデータで管理しています。が、人間の記憶も使っています。

オーケストラ事務局(楽団員へのリサーチ含む)からの回答!

Q.オーケストラに入団するにはどうしたらいいでしょうか。

A.オーディションに合格するよう頑張ってください。中学生から始めた方も大勢いらっしゃいますよ。
オーディション情報は各オーケストラのホームページに掲載されます。オケ連の該当ページは下記ですが、網羅されていないのでご留意下さいね。

Q.拍手はどのタイミングですればよいのでしょうか。

A.拍手のタイミングに戸惑われることもありますよね。
曲が終わったら、思いを噛み締める一拍をおいてみるのはいかがでしょか。

▼以下、新日本フィルの松葉さんにリサーチいただきました!

Q.舞台に出てからトイレに行きたくなったらどうしますか?

A.「舞台に上がる直前の水分補給なども含め、演奏をするために万全の準備を整えています。」
「体調管理も大切な仕事、まして演奏中に「舞台を降りる」という感覚は奏者には無い」とのことでした。

Q.プライベートでは何をしていますか?

A.だいたいは先の仕事のために打ち合わせをしたり楽譜を書いたり、整体などで身体を整えたり、スタジオで練習しています。
あとは美味しいものを食べに行くこともあります。休みが1日とかだと近場だけど、3日くらい休みあるとどうしても行きたいところは飛行機とか乗ることもあります!とのことです。

▼以下、神奈川フィルの鎌形さんよりご回答いただきました!

Q.楽員の席の位置は決まっていますか?

A.楽員の座席の位置については「楽器の種類」「立場(首席)」などでおおよそ決まっています。演奏する曲が作曲された時代などを元にした指揮者の考えにより、配置が変わることもあります。

Q.演奏中にみんな楽譜を見ていますが、何のためですか?

A.オーケストラは、指揮者から指示された表現、繰り返しの有無などの約束事や弓の動きを合わせる(弦楽器のみ)ための記号など、大事なことがたくさん書いてあるため、楽譜を見て演奏をしています。

Q.一番メンタルが鍛えられる楽器は何ですか?

A.「ピッコロ」だと思います。オーケストラの合奏の中でも抜けて聴こえる高い音は、逃げも隠れもできない音で、まさに、演奏者の度胸と技術の賜です!

▼以下、シティ・フィルの友近さんよりご回答いただきました!

Q.プライベートでは何をしていますか?

A.プライベートでも音楽漬けの楽団員もいるかもしれないですが、どこかに出かけたり、おいしいものを食べに行ったり、楽団員も皆さんと同じように、音楽以外のことも楽しんでいます。

Q.一番メンタルが鍛えられる楽器は何ですか?

A.どの楽器も等しくメンタルは必要です。楽器の差はありません。

Q.本番までの練習はどのように行われますか?

A.オーケストラ全体での合わせの練習期間(リハーサル)は通常1~3日ですが、それまでは各自で個人練習をして、リハーサルや本番までに必要ないろいろな準備を各楽団員行って、練習に臨んでいます。

以上です。いかがでしたか?いつもコンサートに足を運んでくださっているみなさまがどんなことに疑問を持っているのかを知ることができ、とても興味深かったです!
オーケストラに興味を持って質問してくださったみなさま、誠にありがとうございました。