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オーケストラの若手スタッフの方々よりお届けします!リレーエッセイ

今回から、新たなリレーエッセイが始まりました。
この企画では、オーケストラで働く若手スタッフの方々に、オーケストラで働くなかでの仕事内容や、やりがいについて紹介してもらいます。

オーケストラや音楽に興味がある方、オーケストラで働くってどういう感じなんだろう?と気になっている方、ぜひのぞいてみてください。


「奏者の皆さんの素晴らしい演奏に感動し、また元気に頑張ろうと思う毎日です」

新日本フィルハーモニー交響楽団 事業部 松葉陽子

PROFILE
1995年6月生まれ、神奈川出身。東京農工大学在学中、もう農業は大丈夫だなと思い、卒業後は大好きな音楽の世界へ。2021 年より新日本フィルハーモニー交響楽団に在籍。以後、事業部として演奏会の企画制作を担当。
 夢のような時間を届けるために日々働いていますが、お昼にカップ麺を食べては、楽団員さんに「夢がないね」と言われます。

 オーケストラの事務局員として、新日本フィルで働き始めて三年が経ちました。石の上にも三年と言いますが、まだまだ石は冷たく…むしろ分からないことばかりで、勉強・反省の日々を送っています。
今回はオケの裏方にスポットを当てる企画ということで、事務局の仕事についてお話してみます。演奏会全般の業務に携わる事業部、舞台のセッティングはもちろん、奏者の要望を正確にくみ取って提供し、一番良い状態で演奏会が出来るよう繊細な気配りをするステージマネージャー、本番に使用する楽譜を用意し、時には指揮者と直接やり取りをして曲目についての理解を深め、楽団員に寄りそうライブラリアン、広報チームやパトロネージュ部、チケットボックス、総務部など、様々な役割を持った部門が力を合わせてオケを支えています。

 私は事業部に所属しており、主に演奏会の企画や出演者との日程調整、主催者やホールとの細かな打ち合わせや、リハーサル・本番の進行を陰から支える仕事をしています。まだまだ未熟な私は毎日目まぐるしく過ぎて、仕事に追われ、もはや追い越されています。奏者の皆さんが演奏に集中出来るよう色々な事を想定して準備を進めなければならず、責任も重い仕事ですし、演奏会を回すやりがいと厳しさは常に綱引き状態です。いや…むしろ厳しいことの方が多いですが、そんな時こそ奏者の皆さんの素晴らしい演奏に感動し、また元気に頑張ろうと思う毎日です。

 本番は一度きりなので、後から修正は出来ません。演奏がどうか無事に終わりますように、奏者の皆さんが気持ちよく舞台袖に戻って来られますように、お客様が楽しんで帰ってくれますように…と祈りながら全ての本番に立ち会っていて、演奏を終えるととてもほっとします。「また来て下さい!」と次の演奏会のお話を頂けると、新日本フィルの魅力が伝わった!楽団員さんは本当にすごい!ととても嬉しい気持ちになります。

 お客様には新日本フィルの演奏、楽団員を好きになって頂きたいですし、「良い演奏会だった」と思って頂けるよう引き続き精進していきます。楽団員スタッフ一同、皆様のご来場を心よりお待ちしております!


2024年3月29日発行
「日本オーケストラ連盟ニュース vol.113 40 ORCHESTRAS」より


オーケストラ事務局のお仕事に興味がある方へ

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