「無痛分娩」って、あまり良く思われない?
最近、無痛分娩を選択する方が増えてきた印象です。
無痛分娩を選択されたママさんの中でも、
相手の様子をうかがって、バツが悪そうに「私、無痛なんです」という方もいれば、
キラキラした表情で「無痛にして良かったです」と話される方もいます。
前者のママさんは、自信がなさそうに見えます。
確かに、「痛みを乗り越えて産んでこそ、立派な母親」と思う人がいるのも事実だと思います。(ある種の偏見ですね)
だからこそ「無痛分娩にしたって言ったら、目の前の人がどう思うかな」と自信がないのかな…と思いますし、
そのママさん自身にも、その偏見があるのかな…とも思います。
私は無痛分娩の現場にはいたことがありません。
でもその方法や、その時の助産ケアというのは勉強したことがあります。
無痛分娩でも、まったく痛みがないわけではありません。
早くから麻酔を入れてしまうとお産が進まなくなるので、ある程度の所までは自然にお産を進めます。
つまり、陣痛を経験しているわけです。
8㎝まで耐えた…というママさんもいました。(8㎝はなかなか痛いですよ)
そして、腰椎麻酔をしますので、腰に針を刺します。
麻酔薬の効きの良さも個人差があって、「あまり効かなかった」というママさんもいれば、
「お産が早くて、麻酔が間に合わなかった」というお話も聞いたことがあります。
その逆で、「麻酔も良く効いてくれて、落ち着いて産めました」という話も聞きました。
ですので、私はママさんから「私、無痛なんです」と言われたら、
「お産どうでした?」と聞くようにしています。
「無痛にして良かった」と聞くと安心します。
だって私が最も大切に思うことは、そのママさんが「自分のお産に満足しているかどうか」です。
自然分娩でも、帝王切開でも、無痛分娩でも、
ママさんが満足していれば、なんでもいいんです。
「下から産むのが立派」とか、
「痛みを経験すべき」とか、
そんな偏見はどうでもいいです。
どういった分娩様式であれ、命を産み出しているんですもの。
全てのママさんはとても立派です。
その分娩体験に、誇りを持ってほしいです。
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