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『わくわく』に困惑する日

「『わくわくする』の『わく』ってなに?」

車で飛ばしてきたおかげで、遊園地まではあと10分くらい。海にかかる、この白く大きな橋を超えれば到着だ。桜もひとしきり散った4月の終わり。空は抜けるように青い。

今日、彼はめでたく4歳になり、はれて大きいジェットコースターに乗れる日なのだ。さぞかしわくわくしていることだろう。しかし「わくわくする?」そんな不用意な問いかけが、思わぬ落とし穴。

わくわくするの……『わく』?

「お湯が『沸く』の『わく』かな」
「絵とかの縁の『わく』かもしれないよ?」
「勇気も『湧く』ってゆうよね」

もう駐車場に着いたというのに、夫も巻き込んでの『わく』談義は終わりをみせない。そもそも誰も正解を知らないのだ。終わりがあるはずがない。
飽き飽きしてきたところに、

「明日からは、またworkだね」

とか嫌な事を夫が言うから、今日は夕飯を作りません。母はくだらなダジャレには厳しいのです。

「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)