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分裂から等身大へかわる女性像【#マンガの話がしたい】

先日、鳥トマト先生の読み切りが出て大きな話題になっておりました。

鳥トマト先生はまだ単行本こそ出ていませんが、連載は何本か抱えており、他にもかなり刺激的な読みきり作品を何本も出しておりますので、気になったかたはこの先生のツイートをたどってほかの作品も読んでみてください。

わたし、ここ数年の女性マンガのトレンドは、「分裂した女性像から、等身大の女性像へ」だと思っていて、この作品もそういった「女性像」を主題にした作品です。

「分裂した~」と評しているのは、母の顔、仕事の顔、女性としての顔といった形で、状況にあわせて個別にしか存在しなかった顔のこと。
そんな分断された状況がただしいはずがない!もっと等身大の自分自身でいいんじゃないの?というテーマが昨今は積極的に描かれていると感じています。

この辺のトレンドは去年の「このマンガがすごい」のオンナ編上位陣を見てもらうと一目瞭然。
1位の『天幕のジャードゥーガル』からはじまって、『ジーンブライド』『まじめな会社員』『女の子がいる場所は』『海が走るエンドロール』『ブスなんて言わないで』『わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~』と、女性像をテーマにした主題をもったマンガがこれでもかとあふれています。

ここまで並ぶとちょっとびっくりしますよね。

これだけ出ていれば、もうだいぶ出尽くしたんじゃないか……
くらいに思っていたのですが、ここにきて鳥トマト先生の読み切りがドーンと話題になっているところを見ると、まだまだ根強くいびつ感を感じている女性が多いのでしょう。

これ、どこかで書いた気がするのですが、過去には出版社主導でおおくの人が受け入れやすい作品がつくられていたのに対して、「対象はそこまでおおくないけれど刺さる人には刺さる作品」が増えてきているのも、こういった流れを助長しているように思います。

自らの発達障害をさらけだすマンガなども何本か出てますし、女性マンガの流行として「等身大」を目指す動きというのはまだまだ続いていくのかもしれませんね。


#エッセイ #マンガ #マンガの話がしたい #鳥トマト #コラム

「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)