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ある日曜日

7月の、ある日曜日の午後、知らない街までバスに乗って会いに行った。 はじめて聞いた停留所の名前を忘れないように、頭の中で何度も繰り返した。 andymoriのすごい速さをずっと聴いていた。 横断歩道の向こう側にその人は立っていて、私に手を振っている。横断歩道を渡り終えた、傍らの花壇で蝉がひっくり返っていた。 その人は蝉を指さして、 脚が閉じてるからこれは死んでるね。と言った。 えー、知らなかった。と私が応えると歩き出す。 道路沿いのコンビニは寒いくらい涼しかった。

    ある日曜日