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幼稚園の抽選

私達夫婦は共働きで、満1歳から子どもを保育園に預けていた。韓国も日本と同じで、満3歳から6歳の子が通う幼稚園もある。基本は朝9時から昼の3時までだし、夏休みや冬休みもあるから共働きの家は厳しい。ただし、枠は少ないが居残り保育をしてくれる幼稚園もある。もちろん入園はかなりの倍率になる。実は現在でこそ韓国は低出産率で有名だが、うちの息子が生まれた2012年までは出生数は横ばいからやや増加傾向だった。2012年が辰年なのだが、黒龍の年とかいって本当わずかなベビーブームだったのだ。それで倍率も少し上がった可能性がある。
とにかく私達は私の当時の職場に一番近い幼稚園にダメ元で申し込みをした。それ以前は先着順だったらしく、前日の深夜から列に並ぶこともあったというが、私の息子の時は抽選だった。ある日抽選会がありますから幼稚園の講堂に集まってくださいとの連絡が。公正を期すためにくじ引きは親が自分で引くスタイルだとのこと。昔からくじ運だけはなかった私はどうせ無理だろうと期待もしていなかったのだが、いきなり名前を呼ばれてくじを引かされた。何と当たり。しかも最初の当選者。みんなの前だから、なぜかみんなに祝福される。心ではみんなくやしい思いをしているはずなのにみんな心が広い。私は促されるまま別室に移動し、書類に署名して講堂を後にした。
多分私のくじ運はあれのために蓄えられていて、一発でその効果を発揮したんだと思っている。

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