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2022年真夏の大冒険⑤小宝島を選んだわけ

旅好き、特に離島好きには2つのタイプがいると思う。
スタンプラリーのように全部を回るタイプと気に入った島だけに一点集中するタイプだ。
私はダイビングが好きで沖縄、慶良間の島々、八重山の島々は一通りは回ってきたけど、四季に関係なく何回も繰り返し行くのは与那国島だけだ。理由は唯一つ「面白いから」。初めて与那国で潜ったときに、きっとこんなに面白い海は国内にはないわ、もうここだけでいい、と確信してしまったのだ。島の形状も島人が観光客に接する距離感も他の島とは違っていた。
与那国島は日本最西端に位置する島である。だから日本の東西南北制覇中な旅人も多いけど、私と同様なハードなリピーターも多いのである。

今回のトカラ列島、「全部の島を見て回ってお気に入りの島を見つけたい」というのが本音。だけど調べれば調べるほど秘境感が大きくなる島々で、1回の旅で全島を回るのはよほど金と時間と運に恵まれなきゃ無理とわかった。
なにしろ交通手段は十島村村営のフェリーが1船、鹿児島からトカラの島々を経由して奄美大島までの航路を往復してるだけなのだ。
船の上下便をうまく使ってジグザグに南下するのが最も効率的なんだろうけど、それに海況の問題も加わる。頻繁に抜港するし頻繁に欠航もある、きっちりスケジュールを立てることが無理なのだ。

十島村トカラ列島

鹿児島を出港すると夜明けに一島目の口之島から、中之島、諏訪之瀬島、平島、悪石島、小宝島、宝島と7か所の島に寄って奄美大島名瀬港に到着。帰りの上り便はこの逆、この繰り返し。

フェリー時刻表


ネットで調べた島情報でいちばんワクワクしそうだったのは諏訪之瀬島と悪石島だった。はじめはそのどちらかの島に泊まろうと思ったけど、どちらの島もけっこう大きい、そしてかなり険しい。集落は島の中腹以上にあるし、島を観光するにしてもレンタカーやレンタバイクは無く足に頼るしかない。強行すれば寝込むことになりそうだ。

となると手頃なサイズ感の島は...小宝島が浮上してきた。
ちょっと大きな波をかぶると無くなってしまいそうな平坦で小さな島。島民は50人くらい(半分が学校関係で、赴任中の教職員、児童と生徒で純粋な島の住人は20人から30人程度)島には信号機も商店も飲食店も自販機も無い貨幣経済が通用しない島、サイズも1周4kmの隆起サンゴの島で徒歩でも十分回れる。けれど最後に港湾整備がされた島で抜港率も高い。
鹿児島から乗って島に泊まって鹿児島に戻るのなら1泊で可能だけど、島に泊まって次は奄美大島に行くとなると3泊ないし4泊は同じ島に留まらなければならないのでそれだけのポテンシャルが島にあるのかも不安。そこに抜港や欠航が発生したら...。

乗船券を買うだけでもワクチン接種と陰性証明の提示が必要だし、船に乗れたとしても接岸して下船できる保証はないし、下船できたとしても次の便に乗れるとは限らない。
今まで行った島の中では群を抜いて秘境かも。

無事乗船券も購入できて雑魚部屋の陣地も確保。コロナ禍なので雑魚寝はさせないらしい。最高に詰めても一人おき、定員の半分しか入れないようだ。実際は半分どころか1/4くらいの乗車率だ。
寝て起きれば口之島だ。

https://youtu.be/E94anwwZLO4



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