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【白血病との出会い①】

 ある日、救急車で運ばれた私は、白血病と診断され、闘病生活を送ることになった。

 高校までの私は、部活や塾、習い事に励む、どこにでもいるような学生だった。
とにかく運動することが好きで、体も丈夫だった。

 大学に入学すると、授業を受けたりバイトしたりと、充実した日々を送っていた。

 入学してから半年ほど経った頃、熱、鼻水、咳がで始めた。
風邪をひいてしまったと思い、風邪薬を飲むくらいで全く気にしていなかった。
しかし、2週間経っても治ることはなく、それどころか歩くだけで息切れしたり、吐き気が襲ってきたりし始めたのだ。
日に日に症状は悪化し、鼻血が出たり、動悸があったり、怪我をすると血が止まらなかったり。

 これは何かおかしいと思い(今思えばもっと早く気づくべきだった)、近くの総合病院へ行った。
だが、総合病院で診察を受けるには紹介状が必要だと言われ、別の病院に連絡したからそちらへ行くようにとのことだった。
しかも、その病院がなんと耳鼻科である。
仕方なくそこで診察を受けると、診断結果は"ひどい鼻炎“と言われた。

 みなさんなら、"鼻炎“ですと言われて納得するだろうか?
私は思った。"絶対に違う。鼻炎ではない。鼻炎であるはずがない。“と。
諦めて吐きながら家に帰ったのを覚えている。

 家に帰ってから薬を飲んでも症状が軽くなることはなく、その日はそのまま眠ることにした。
次の日の早朝、救急車で運ばれるとも知らずに。

 次の日の午前4:00頃、目が覚めた。
すぐに私の体がおかしいことに気づいた。
足が痺れて立つこともままならない。
単に痺れただけかもしれないと思い、様子を見ていたが、全く改善する気配もない。
これはほんとにまずいと思った私は、人生で初めて救急車を呼んだ。

 救急車で運ばれた先は、前日に行った総合病院だ。
そこで様々な検査を受けると、血液の数値の異常が見つかった。
そのため、再び救急車で血液内科のある病院へ移され、詳しい検査を行った結果、白血病と診断されたのだ。

 お医者さんが言うに、もういつ感染症を起こして死んでもおかしくない状態だったらしい。
"自分で救急車を呼んで偉いね“と褒められたのを今でも覚えている(笑)

 病気が発覚して即入院となった私は、無菌室に入れられ、長い長い闘病生活が始まった。

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