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はじまりの春に寿ぐ

体調も幾分か良くなり方々へ赴く事ができるようになった。
ちょうどいいタイミングでまん防も解除となり、気持ち的にもコンディションも季節も春が来たという感じ。
久しぶりのちゃんとした「春」だと思った。

ここ数年、コンディションや身の回りの動きと季節がなんとなくずれて続けてて辛かった記憶がある。
結婚式が延期になり、ゲストも大幅削減を余儀なくされた春。
悲しむ間もなく緊急事態宣言で誰に会うことも、どこへ行くことも叶わなくなった。
体調不良から退職を余儀なくされたのもこの頃である。
夏の青い海と空を味わいたかった新婚旅行は中止になり、越した先の家で隣人トラブルに見舞われた。
やむなくそこから引っ越した半月後に隣人の家で火災があったと聞かされたのは、持病の悪化で入院していた時だった。
穏やかな秋は人生で初めての全身麻酔の手術となった。痛みと術後の吐き気で息をするのも煩わしかった。
冬は就職活動に奔走し人々とは違うタイミングで「はじまり」を感じることとなった。

ただただ混沌とした1年間。
それからさらに1年、本当に色々あった。
新たな喜びに浮かれたり、新たな苦難に頭を抱えたり。
その2年を礎にようやく味わうことのできた「春」だったように思う。


ただ得たばかりかといえばそうでもない。
環境の変化は人間関係の変化とも言い換えられそうなくらい、付き合う人が変わった。
友人と呼べる人は片手で数えられるくらいまで少なくなった。
体調の変化は仕事に大きく影響を与え、失った社会的信頼も決して小さいものではなかった。

それでも春はやってきた。

病は息を潜め、限られた人間関係を慈しみ、働き方を変え再度仕事が出来るようになった。
あたたかなはじまりに寿ぎを、いろんなことに感謝を忘れずにいこうと思う。

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