塩漬け鶏の中華風ローストチキン「脆皮鶏」アレンジレシピ
■ローストチキンとは?■
ローストチキンとは、ニワトリを丸ごと焼いた料理です。
オーブンやグリルで焼いたもの、串に刺して焙り焼きにしたもの、専用の焼き機(ロースター)で焼いたものなど調理法としてはさまざまです。
またダッチオーブン(野外料理用の厚手の鉄鍋)を使って蒸し焼きにする方法もあり、丸焼きにするため旨味が逃げにくく、皮の焼けた香味も加わります。
日本では代表的なクリスマス料理のひとつですが、北米では七面鳥のロースト、またヨーロッパでは、ガチョウのローストも好まれます。
■脚の部分に巻くアレは何のため?■
ローストチキンを食卓に出すときに、足先の肉の薄い部分にアルミホイルを巻くことがあります。
これは「骨付き肉を持った際に手を汚さないために巻く」といわれますが、もとは「骨の断面が見えてしまうと見た目が良くない」として、断面を隠すために巻かれたのが始まりと言われます。
料理は味だけじゃなくて見た目も大事ですからね(^^♪
そんなローストチキンですが、中国では「脆皮鶏」(ツイピィヂー)という料理名で親しまれています。
■脆皮鶏とは?■
広東、台湾以外にも四川や湖南に同名の料理があり、探せばその他の地域にも様々にアレンジされたものがあります。
元祖は広東料理で、「広州十大名鶏」に常にランクインする伝統料理です。
鶏肉の乾燥過程が必要なため、調理には非常に手間と時間がかかります。
ですが、「家庭でそこまで手はかけられないよ!」となりますよね?
そこで、その「脆皮鶏」をなんとかおうちで作れるようにいろいろ工夫したアレンジレシピになります。
※「乾燥工程」を省いたので、皮の仕上がりは本物には程遠い(-_-;)ですが、雰囲気だけでも味わっていただければと思います。
では、作っていきましょう!
■材料■
・鶏骨付きモモ肉 1本
今回は千葉県の銘柄鶏『総州古白鶏』(そうしゅうこはくどり)の骨付きモモ肉を使います!
・塩 2g
・ニンニク 3g
・白だし(関西白しょうゆ) 15㏄
・ローリエ 2枚
・花椒(ホアジャオ) 10粒
・沙姜(山奈) 1g
・八角 2g
・無糖勁酒(ムトウケイシュ) 15㏄
※普通に売ってないので、紹興酒でもかまいません!
ちなみに⇩
■無糖勁酒(ムトウケイシュ)とは?■
白酒(パイチュウ)に、厳選された中国漢方として有名な薬草を伝統的手法と最新技術を用いて漬け込んだお酒。
中国では毎日少しずつ飲むヘルシーリキュールとして親しまれています。
■白酒(パイチュウ)とは?■
中国発祥の蒸留酒で、宋代に南方より伝わった蒸留酒を基礎として成立したお酒です。
コーリャン(高粱)、トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモなど穀物を原料とするが、主原料から高粱酒(カオリャンチョウ、gāoliángjiǔ)とも、製法から焼酒(シャオチョウ)とも言われています。
また脱線しましたが、作り方を解説しますね⇩
■作り方■
①皮目の反対側から骨に沿って切り開いていきます。
※切り開くことによって、味が染み込みやすく、火が通りやすいという利点があります。
②キッチンペーパーなどで水気をふき取り、切り開いた方に塩を揉み込みます。
③大きめのボウルに調味料をすべて混ぜ合わせて塩もみした鶏もも肉を入れて揉み込みます。
※揉み込んでいくとほとんど水気が無くなってきます。
④バットに移して、香辛料を皮目に乗せて、冷蔵庫で5時間以上寝かせます。
朝仕込みをして、その日の晩御飯に食べるくらいのタイムスケジュールになるかと思います。また、前日の夜に仕込んで翌日でもいいかもしれません。
※寝かせることで、熟成されます。熟成については後述しますね(^^♪
⑤クッキングシートを敷いた天板に移して、トースターで25分~30分焼いていきます。
⑥焼きあがったら、そのまま5分ほど置いておくと、肉汁が落ち着いてきます。※余熱の原理の応用です。
加熱後すぐに切ってしまうと、美味しい肉汁が流れ出てしまい、肉質もパサついてしまうように感じます。
調理は引き算、手間は足し算ということですね!
⑦お皿にお好みの野菜と一緒に盛り付け、骨ごとかぶりついても良いですし、骨を抜いてスライスしても良いですね。
今回は出来上がりの画像データが消えてしまった(?)ので、焼き上がり時の画像しかなくて・・・(-_-;)
身はしっとりとしてうっすらピンク色に仕上がってました!
断面をお見せしたかったのですが(-_-;)
では、先ほど出た「熟成」について解説します⇩
■熟成とは?■
熟成とは、酵素と外的環境(温度、湿度、時間)の総合作用によって、タンパク質が分解されてアミノ酸になることです。
熟成は「エイジング」とも呼ばれます。また、食品を「寝かせる」も熟成のことを指す場合があります。
では何故、熟成が注目されるかと言えば、食材が「美味しくなる」からに他なりません。
熟成肉の例で言えば、お肉を「寝かせる」ことで、肉の中の酵素によってタンパク質が分解され、旨み成分である「アミノ酸」に変化します。
また、タンパク質がアミノ酸に分解されることで、適度な柔らかさも引き出されます。
また、最近では肉だけではなく、「鮮度が命」とされてきた魚も熟成することで旨味が増すということが分かってきました。
これは賛否両論ありますが、科学的に数値化すると「旨味が増す」ということになるようです。
「釣ってすぐさばいた魚の食感がたまらない!」という方もいらっしゃると思うので、どちらがいいかは好き嫌いなのだと思います。
■まとめ■
・骨に沿って切り開くと味が染みやすく、火が通りやすい
・先に塩を揉み込む
・漬け込み時間は5時間以上
・焼きあがってもすぐに切らずに落ち着かせる
・熟成とは美味しくなるメソッド!
・画像がなぜか消えた(-_-;)
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は「脆皮鶏」(ツイピィヂー)を家庭で作るアレンジレシピをご紹介しました。
また、広東料理専門店で本物と食べ比べてみるというのも、楽しみになりますね!
手間を省いて時間をかけるという選択も料理のスキルの1つです!
今後も家庭で作れる本格的な中華料理や、レシピ本に書かれていない細かいノウハウや手順の組み立て方を投稿していきます。
皆様の楽しい料理時間の助けになればと思います
コンテンツをご覧いただきありがとうございます。頂いたサポートを励みに、今後も皆様の料理のお手伝い、献立のヒントになるような有益なコンテンツの作成に役立たせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。 ※頂いたサポートで新しい調味料や調理器具を揃えたいと思います。