臭いがする日

友人は高校時代の同級生。おでかけには和装して、副業でヨガの先生をしている。そして、友人は、若い男の子に人気がある。
ジェネレーションの垣根を超えて、気軽にコミュニケーションできる。
おそらくは、若い男の子も、母親ほどの彼女に心を開いて、いろんなことを話す。

会津ではランドマークなる特徴があるビルがある。その形状を言うと「ああああ◯◯ビルね」と誰もが知っているビルだ。
そのビルは、たくさんの可愛い女の子が務めるさまざまな店がテナントで入っている。
その中の一つの店でボーイをしている男の子が、友人に話してくれた話。

「俺、黒服だから、みんなより早く店に入って、みんなが帰ったあとに帰るんすよ。
閉店後、店をきれいに掃除して帰るんですけど、翌日、店に入ると、なんだか生臭い日があるんです。
そんな日は、なぜかお客さんがたくさん来てくれて忙しくなるんっすよ。
だから、店に入って生臭い臭いがする日は、十分に準備してお客さんを待つんです」

いつもでもないのだけれど、その生臭い臭いを発する張本人を見ることもあり、その時はいつも、店のスピーカーの上に「首だけの初老の男性」が見えるらしい。
また、そんな現象が起きるのはその店だけではなく、その初老の男性は同じビルの中を転々としているらしく、同じビルの別の店でも同じ現象が起きていて、ビルの中では有名な存在ということだ。

爺さんだけど、座敷童子的。。。存在?・・・なのか?

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ここでの「怖い話」はすべて怪談蒐集者ほしじろさんと、會津蔵武のカウンターで共有した話です。話してくれた友人、お客さんからは、掲載や怪談としての発表の許可をいただいています。
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怪談朗読用に書き直したいと考えています。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

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