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オールイングリッシュの取材から見えてきたこと

訪れてくださり、ありがとうございます。
本記事は、米国オレゴン州・ワシントン州を中心に毎月1万部発刊されている「夕焼け新聞」に連載中のコラム『第8スタジオ』の転載記事(修正・加筆含む)です。本記事は300円の入場料をいただきます(価格は字数や内容によって変動)。「夕焼け新聞マガジン」は8年目に入り、毎月1本のペースで配信しています。2017年からスタートし、現在までに79本の記事をお届けしてきました(個人的にこの年月にびっくり!)
まもなくこのマガジンの原稿は合計80本に達します。それを機にサブスクリプションとすることを考えています。こちらのマガジンの更新をとめて「夕焼け新聞vol.2」という新しいマガジンを開くことを考えています。方向性が決まりましたら、こちらでお知らせいたしますので、ご留意くださるとありがたいです。よろしければご加入をお考えください。
異国で暮らす日本人の葛藤、就活、仕事、家庭、育児、バイリンガル教育、ギフテッド教育などについて書いてきました。今後も取材を続けます。ここまで続けてこれたのは毎回記事を楽しみにしていて下さる読者さまのおかげです。心より感謝申し上げます。

 最近の大きなトピックといえば、日本語を話せない方にオールイングリッシュで1対1で取材したこと。それも2時間!

 その際、録音したものを聞き返しながら記事を書き(覚悟はしていたものの自分の話す英語がひどすぎて落ち込んだ&聴けたもんじゃない)、書いたものを英語に翻訳し、インタビューイーに送って、真っ赤に赤入れされたその英文記事を、彼の指摘した内容を漏らさないように落とさないように今度は日本語に翻訳し、それをまたインタビューイーに送って確認してもらって…ということを繰り返し、最後にはやっと納品して新聞に載せる、ということがあった。

 ああ、書いているだけでもため息が出るくらい大変だった。ああ、なんと長き道のりだったことか。

 わたしにとってオールイングリッシュの取材というのは実は初めてだった。ライター歴8年くらいだし(この間ある人にそれはライターじゃなくてジャーナリストに区分されるのでは?と指摘されたことが心にもやもやと残っている)、アメリカに住んでいるわけだからありそうなものだけど、正直なところ避けていたのだ。

 怖かった。自分にできるわけがないだろうと思っていた。

 でも時は熟して、キャリアもそれなりに積んできたし、懇意にしている編集者からのたっての頼みでもあったので引き受けた。

 引き受けてから、取材、執筆、納品に至るまでおよそ1ヶ月だったけど、このたった一件の仕事はずっと体のどこかに鉛のようにぶら下がってわたしを悩ませていたように思う。

 それが離れたことはなかったなあ。

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