「それは、あたたかい牛乳でも、どうにもできないこと?」
VAPEがおいしくない。
はじめて使っていたのが切れたので、かつ、その在庫が切れていたので、違うものを買った
のだけど、おいしくない。
焦げくさくて、なんというか、不安になる味がする。
立て続けに理不尽な目に遭っていたぼくは、これを「理不尽な目」にカウントするか、考えあぐねていた。
アルネは、血の気がないらしいぼくの顔を覗き込んで、それから、肩を落とした。
ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。
厚意に甘えることにして、アルネの小さな背を眺める。
体調が悪いわ