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おばあちゃんの話は一方通行 2022年1月5日

こんにちは。藍澤誠/Jの先生です。

授業が始まって二日目。2時間×3ユニットという時間割。年末年始の5連休が挟まったので、この時間でも長く感じます。

自分で塾を開いたのは2000年ちょうどで、その前の1998年と1999年は外の塾で働いていたんだけれど、そのときは朝の8:00から23:00までほぼぶっ続けという過酷なメニュー。

あれがあったからこそ、今があるのか。
それとも経験しなくてもよかった、ただ大変だった経験なのかは、今となっては判然としません。その時期に集中的に多くのことを学んだような気もするし、ただ効率が悪かっただけのような気もします……。

そして今年は創作ベースで生きることに決めたわけで、2022年はその初年度にあたるわけですから、あり得ないくらいのスタートダッシュをする必要がもしかしたらあるのかもしれないし、新しい習慣を手に入れるためにも、やりすぎと思えるくらいやりたいような気分でもあります。

さて、近所のおばあちゃんから、かわいらしい赤い南天をもらったという話は、お正月に書きましたが、そのおばあちゃんは耳が遠くて、こちらの話が伝わりません。つまり、会話はいつでも一方通行、あちらが話してこちらが聞くという状態なんです。

でも、私が塾をやっていることは、7年くらい前の、耳が良かった時代(?)に伝わっていて、よく

塾の生徒さんは元気?
みんな希望の進路に進めるといいですね。
先生も生徒さんたちの将来が楽しみでしょう?

と話しかけてくれます。もちろん、私はいろいろなことを話すわけですが、ぜんぜん伝わってなくて、話し終わったおばあちゃんはニコニコしているだけ。つまり私が返している話の内容ではなく、何を言っているのかはわからないけれど「自分の発言に相手が反応してくれた」という状態がおばあちゃんにとっては幸せなんだと気づきました。

だからおばあちゃんの話を聞くときには、大げさなくらい良い表情をしてあげることにしています。

でも、これって耳が聞こえている場合においても、表情をできるだけ良いものにすることも大事かもと思いました。機嫌を取ったり相手におもねっているわけではなく、シンプルに相手に感謝と好意を伝える意味で、もっともっと、自分の表情を活用してもよいのかなって。

以前、塾の子の学校説明会に参加したときに、一人の先生が教壇で一生懸命しゃべっているのに、すごく空回りしているというか、教室の空気が重く感じられることがありました。「塾の先生向けの学校説明会」というなぞなイベントで、私は生徒の通うかもしれない学校のリサーチということで自ら進んで参加したのですが、他の数人の塾の先生はもしかしたら「仕方なく、塾に指示されての参加」という参加だったのかもしれません。

ともかく、先生が「反応の薄い聴衆の前(しかもみんなマスク姿)で話す」というシチュエーションになってしまったので、私はすごく気まずくて、それならせめて目だけは、可能な限り笑っているようにして、できるだけ頷きながら話を聞くようにしていました。

すると、会がお開きになったあと、一人の女性の国語の先生がやってきて
「笑顔で聞いてくれて、嬉しかったです」
とわざわざ伝えてくれました。

音声としては一方通行だけど、笑顔や眼差しは返すことができる。
あるいは音声に加えて、笑顔や明るい眼差しも添えて返す。

笑顔だね、と言われることも多い私ですが、それはたまたまというか、なんていうんだろう、自然にそうであるだけで、自然に笑顔なのはもちろん悪くはないのだろうけれど、自分が笑顔にならなそうなシチュエーションであえて笑顔ややさしいまなざしを心掛けると、少し変わるかもしれない……

そんなことを思って今日一日を過ごしていて。
生徒が私に対して、謝らなくちゃいけないケースが3つあったのですが、どの場合も、「うん、OK! それでね……」
と、まったく別の、より楽しいと思われる方向へと歩みを進めることができました。

「怒られるかも」と思って怖がっているときに、そういうのを大きく超えた対応をしてもらえたら……嬉しいのもそうだけれど、すごく安心して人生の時間を共有できると思う。そんなことをあらためて思った、年始の授業でした。

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