文章が少年少女を支えてくれる 2022年1月18日
こんにちは。藍澤誠/Jの先生です。
東京都では、高校入試のテストが近づいてきました。
毎年この時期に中学三年の中で、小論文のトレーニングをする子がいるのですが、今日は2人の生徒の小論文を見ました。
一人は文章を書くのがものすごく苦手な男の子。
もう一人は、自分の書きかたのパターンを見つけ、磨き続けている女の子。
男の子の方は、何も書けないまま何十分も固まってしまうということがよくあります。文章を書ける人からすると、
「なんでもいいからとにかく書け」
というアドバイスになるのですが、そのなんでもいいから、が出ない。たとえるなら、バンジージャンプの一歩目が出ないみたいな。
どうして出ないかというと、バンジージャンプの場合は勇気のある・なしが原因になると思うのですが、小論文がまったく書けない子の場合、脳がフリーズしてしまうというか、本当に空っぽになってしまうのだと思います。
しかし、どういうメカニズムか私もわからないのですが、ちょっとしたきっかけで、フリーズが解凍し、堰を切ったように、書けるようになることがあります。本日も、これまでずっと何も書けなかった子が、ついにようやくいきなり200字も書けるようになりました。
自分が思っていることを、自分で書くのではなく、「あなたはこんなことを思っているんじゃないの?」と問いかけてくれる第三者(たとえば私)を想像し、その人の言葉をメモを取るように書き写す。そんなスタイルを発明したのです。
まったくできなかったことができるようになる、という体験はとても大きなもので、これは文章に限らず、すごくすごく貴重な体験で、できなかった期間が長ければ長いほど、そしてできなかった問題が自分にとって邪魔というか障害になっていればいるほど、それらがクリアになったときの喜びも収穫もとても大きなものになります。ほかの人からすると、たった200字くらいで喜んじゃって、となったとしても関係ありません。
本人も喜んでいましたが、今後、彼がどのように開通した自分の能力を使っていくか、その能力がどのように連鎖していくのか、私はとても楽しみです。
もう一人の女の子は、ここ1か月で「文章を書くこと=自分が成長すること」になってきました。その子は文章を書く前は、細部まで構成を考えることはできないし、図解化するようなことができないのですが、とにかく書きながら自分自身とじっくり対話し、用意していた論展開のパターンを適用しながら、その場その場で新しいアイデアを導き出し、その結果、書くたびに自分の思考が整理され、書いた文章に自分自身が励まされるという、とてもよい循環を創ることができています。
最初は思い悩んで泣いちゃったり、アイデアがうまく出てこない自分自身に気落ちしたりしていたのですが、世にあまたある名言を利用したり、私やいろいろな人からのアドバイスを積極的に採用する柔軟な姿勢で、文章を書く幅をどんどん広げていっています。
世に言われているように受験勉強の是非はあるのですが、アプローチ次第で、受験勉強を、合格不合格のためだけでなく、自分自身の成長に結びつけることができます。そして残り一か月、受験生たちを応援する意味で、いろいろなコンテンツを作っていけたらと思っています。
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