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★歌詞考察①★【推しの子】2期OP【ファタール】


【ファタール/GEMN】

■”まじないラップ”って知ってましたか?

そう、この冒頭のラップのことです。ケンティこと中島健人さんがネーミングしてて、上手いなーって思いました(笑)

また夢から覚める、濡れた瞼を開ける
狂おしいほど思い残す、遠い日の無力さを呪う

これはアクアが夢から覚めた場面。「濡れた瞼」という表現から、泣いて目覚めたことがわかります。

「狂おしいほど思い残す、遠い日の無力さ」の「遠い日」については、アクアの目の前でアイが刺されたあの日のことですね。

ご存知のとおりアクアの前世は、雨宮吾郎という医者でした。アイの刺し傷を見て、瞬時に腹部大動脈を刺されたことを理解したアクアでしたが、今は小さなただの子ども

大量出血でアイの体が冷たくなっていくのに成すすべもなく…その絶望感は気が狂いそうだったことでしょう。何もできなかった自分を呪いたくもなるような、そういう本当にやり切れない「無力さ」なんだと思います。

身を焼かれるような絶望も糧にはなろうか
憧れに焦がれるまま燃やし続けている

■アクアが見ている夢ってなんだろう?

ところで、冒頭の歌詞にあるアクアが見ていた夢は、何だと思いますか?

”アイが刺されて死んでしまう夢”か、それとも”アイの命が奇跡的に助かり、「大丈夫だよ」ってアイが抱きしめてくれる夢”か…。

わたしは、後者だと思っています。

舞台「東京ブレイド」では、”死の淵から生き返った鞘姫を、刀鬼(アクア)が抱きしめるシーン”で、アクアは感情演技を使いました。そのときに想起したのは、アイが奇跡的に目を覚ますシーンです。

だからきっとアクアは、アイにもう一度会いたくて、声を聞きたくて、何度もそんな夢を実際に見ているんだと思います。でも目覚めれば、それは「夢だった」…そんなことを何度も繰り返しているアクアの心を思うと、こちらまでいたたまれなくなります。

それほど「身を焼かれるような絶望」なのに、「アイの復讐」のために、「芸能界で評価を得る」ために、それさえも演技の「糧」にしようとするアクア。だから、アクアは燃やされたままでいるんですね。アイに焦がれるままに。

■今回はここまで!

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