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全身のがんをスクリーニングする。


がんには向き合い方がある。

がんを早く見つけることは大切です。
がんを予防できれば、もっと安心ですよね。

みなさんは、「がんを防ぐための新12か条」をご存知でしょうか。
これは、日本人を対象とした疫学調査や、
現時点で妥当な研究方法で明らかとされている証拠を元に、
国立がん研究センターがん予防・検診研究センターがまとめたものです。
例えば、禁煙や受動喫煙の防止、
節酒、適度な運動など、
日常生活に関するヒントがあります。
ぜひ一度ご覧になってみてください。

「がんを防ぐための新12か条」にあるヒントは、
日常生活の改善だけではないんです。
定期的ながん検診、
異常に気づいた場合の早めの受診、
さらに、正しいがん情報を知ることも挙げられています。
禁煙や節酒に加え、
検診やがんに関する情報に触れることも、
がんを防ぐための生活習慣ということです。

11/25に開催した
「みんなの健康ワークショップ」でも、
がんに関する情報に触れる機会のひとつとして、
自分にあった健診を参加者の皆さんと一緒に考えました。
ぜひ、定期的な健診、
それも自分にあったものを選んでいただきたいと思います。

全身を一度に調べるという方法。

ただ、自分にあった検査項目を
人間ドックのオプションですべてカバーするとなれば、
1日ではとても収まりませんし、費用も高くなります。
そこで、毎年同じオプション検査を続けるのではなく、
「去年はあれを検査したから、今年はこれ、来年はこれ」
といった感じに、
計画的にオプション検査をやるのがいいかと思います。

そのひとつとしておすすめしたいのが、
全身のがんをスクリーニングする「PET検査」です。
他のオプション検査に比べて高額ですが、
一度の検査で全身をチェックできる点が魅力です。

がんを早く見つけ、早く治すために。

PET検査は、CTのような検査機器で、
全身のがんをスクリーニングするもの。
がん細胞が正常細胞に比べてブドウ糖を多く消費する性質を利用し、
ブドウ糖に似た放射性薬剤を注射します。
その薬が集まったところから多く放出される放射線を
捉えて画像化することにより、
がんを見つけ出す検査となります。
検査後は、放射性物質が落ち着くまで、
専用のお部屋で安静にしていただきますが、
体に負担の少ない検査だと思います。

ただし、薬剤が集積しにくい部分や、
小さながんといった見つけにくいものは不得意で、
残念ながら、万能とは言えません。
例えば早期胃がんはPET検査ではわからず、
胃カメラがやはり優位です。

自分らしく生きるためには、
日々の生活を見直すだけでなく、
自分にあった検査を
定期的にやっていく習慣をもつことが第一歩。
それから、正しいがん情報に触れることも、
がんを防ぐための生活習慣です。


解説:相澤健康センター 副センター長 髙木健治

相澤健康センター エフエム長野oasis79.7