動脈硬化が呼ぶ、致命”病”。
まだ”病”になっていない「だけ」。
前回、生活習慣は、糖尿病や高血圧など、
さまざまな病気の引き金になると書きました。
そして、皆さんがよく耳にする
「動脈硬化」も、生活習慣が原因なのです。
動脈硬化というのは、
病気の名称ではなく、血管の状態を表しています。
動脈硬化=血管の老化です。
血管が老化した状態というのは、
お肌などが老化しているのとは違い、
目には見えにくいものの、
命に関わる危険があります。
老化といいますが、
動脈硬化は実は若い頃から始まっていて、
生活習慣によって、
その進行が加速していきます。
動脈硬化は読んで字のごとく、
血管が硬くなっている状態を指します。
硬くなるというのは、
しなやかさに欠けるということ。
血管の中にコレステロールなどを含んだ脂が付着して、
血管が狭くなったり、
血管がもろく破れやすくなっていきます。
そして、あるとき、
血液の塊が狭くなった血管に詰まり、
その先に血が通わなくなったり、
血管が破裂すると、
急性心筋梗塞や脳卒中といった命を脅かす病気を発症します。
「あるとき、突然」を起こさないために。
動脈硬化を防ぐためには、どうすればよいでしょうか。
まずは日々の生活習慣の改善です!
と言いたいところですが、
そもそもご自身の血管の状態を知らなければ、
どの程度のリスクがあるかもわかりません。
ですから、まずは血管チェックです。
高血圧や脂質異常、高血糖などのリスクを
健康診断で定期的に把握しておきましょう。
そして、異常が見つかった、
値が基準値から外れているという場合には、
医療機関を早めに受診してください。
生活習慣病につながるものは、
動脈硬化にもつながりますので、要注意です。
喫煙者は、たばこをやめる。
それから、ストレスもよくありません。
不規則な生活を見直して、しっかり睡眠をとる。
肥満予防も含めて、気分転換になる運動を取り入れたり、
食生活も改善しましょう。
肉や脂っこいもの、しょっぱいものなどに
偏っているようでしたら、
野菜や果物などもバランスよく摂る食生活に。
飲酒もほどほどにしましょう。
ご家庭で日々の血圧を測って、
自分の値を知ることもいいですね。
健やかな人生は、しなやかな血管から。
より詳しく血管の状態をチェックしたい場合は、
健康診断や人間ドックの検査です。
特に、改善点を抱えている方や高血圧や脂質異常、
高血糖などの異常がある方、
これまでに狭心症などを起こしている方、
家族に脳卒中や心筋梗塞の方がいらっしゃれば、
動脈硬化に特化した検査をお忘れなく。
足首と腕の血圧比から動脈が狭くなっていたり、
詰まっていたりすることを調べる「ABI検査」。
首の太い血管を超音波でチェックする「頸動脈検査」。
脳を集中的にチェックする「脳ドック」と様々あります。
「自分の体のことは自分が一番よく分かっている」と
思い込むのではなく、
自分の体を客観的に知り、改善していくことが大切です。
一年の目標に、年に一度の定期健診を取り入れて、
今年もしなやかな血管を保って、
元気で長生きを目指して頂きたいです。
解説:相澤健康センター 副センター長 髙木健治