見出し画像

[ 世界中で愛されるクリスマスとサンタクロース ]

最近の統計によると、アメリカでは2割の人が神を信じないという無神論者だそうですが、近年のクリスマスは商業化してますので、宗教観関係なく誰でも楽しめる行事であると思います。

目次
● クリスマスの由来
● サンタクロースの由来
● 最後に、、、


【クリスマスの由来】

クリスマスはイエス・キリストの降誕(誕生)を祝う祭とされていますが、実際に12月25日がキリストの誕生日だと特定する記述は新約聖書のどこにもありません。この12月25日の生誕祭は、遅くとも345年には西方教会で始まっていたようです。Christmas(クリスマス)という言葉を分解すればChrist-masですから、本来の意味は「キリスト礼拝」になります。

クリスマスの起源はミトラ教の太陽の再生を祝う冬至の祭りと、古代ローマの祭りである「サトゥルナリア(農業神)」が融合されたものではないかと言われています。クリスマスに贈物を交換する風習や、セイヨウヒイラギの常緑樹と赤い実を飾る習慣は、サトゥルナリアの祭式がキリスト教に採り入れられて生じています。またクリスマス期間中に火を焚きキャンドルを灯す風習も、北ヨーロッパの冬至の祭やサトゥルナリアの祭式がキリスト教徒に受容されたためであり、現代でもキャンドルや電気の照明などで伝統が受け継がれています。

古代ローマの農耕神の祭りであるサトゥルナリアは、お祝いをする12月17から一週間の間、奴隷にも特別の自由が与えられ、祭りに参加することができました。また祭りの期間中は学校も民会も裁判所も閉鎖されたようです。サトゥルナリアが農神祭であるのは、冬の種まきの時期に神に贈り物や犠牲を捧げる習慣に由来しています。ローマ神話に登場する農耕神は「サートゥルヌス」であり、「サターン」と同義語、つまりサトゥルナリアは「土星の神」でもあります。ですから「クリスマス」は太陽信仰と土星信仰の融合であるのだと思います。


【サンタクロースの由来】

サンタクロースの由来はセント・ニコラスという聖人からです。セント・ニコラスは社会の弱者、貧しい者の味方、航海の守護聖人、商人の守護聖人、そして子供達の守護神と言われています。

彼にまつわる伝説は多々ありますが、有名な話は貧しい家庭の3人娘の話があります。

貧しさのあまり3人の娘を身売りしなければならない家族の存在を知ったニコラスは、真夜中にその家を訪れ、窓から金貨を投げ入れました。このとき暖炉には靴下が下げられていており、金貨はその靴下の中に入り、この金貨のおかげで家族は娘の身売りを避けられた、という逸話が残されています。この逸話が今日における子供達が、靴下(ストッキング)に贈り物を詰めてもらう習慣になっています。

しかし、この聖人が何故、真っ赤な上着とズボンに帽子を身につけたサンタクロースに変身したのでしょうか?

ニューヨークは元々、オランダ人の移民によって始まった土地です。1804年にニューヨーク歴史協会が設立され、メンバーに作家のワシントン・アーヴィング氏が含まれていました。設立した年のセント・ニコラスの日に、アーヴィング氏は「ディートリッヒ・ニッカーボッカーによるニュー・ヨークの歴史」という本を出版しました。その著書の中では「オランダ人移民がセント・ニコラスの像を持ち込んだこと」「最初に立てた教会をセント・ニコラスに捧げたこと」「セント・ニコラスの日を祝う習慣があったこと」などが書かれています。この本がセント・ニコラスからサンタへの第一歩となりました。セント・ニコラスはオランダ語では「シンタクラース」となり、これがサンタクロースの語源です。

ちなみに、このアーヴィングの著作「クリストファー・コロンブスの生涯と航海(1828)」が出版されてから、「大航海時代以前の人々は、地球平面説を信じていた」という誤解が広まったようです。しかし中世の宝珠にも見られるように、球体説はすでに支持されていました。

国や地域によって異なったサンタのイメージを、現在の「赤」で決定的に統一したのは、1931年のコカ・コーラのキャンペーン広告でした。その後、商品化されたサンタクロースはもはや消費者文化であり、セント・ニコラスからかけ離れ、キリスト教会とは全く関係のない人物になりました。ちなみにサンタクロースの赤い帽子はフリギア帽であるはずです。フリギア帽はフランスの象徴マリアンヌが有名ですが、もともと古代ローマにおいては、自由身分の解放された奴隷が被るものとして考案され、その後、隷従から自由への解放の象徴とされました。アメリカの上院紋章や中南米の国章にもフリギア帽が見られます。


【最後に、、、】

アメリカのクリスマスは基本的に家族と過ごすことが多いです。クリスマスツリー(モミの木)の下にプレゼントを置き、家族同士が集まったらプレゼントを交換し合うのが習慣です。小さな子供たちがいる家庭では、親からの本命のプレゼントは24日の夜、子供たちが寝た後にクリスマスツリーの下に置くなど工夫をすることが多いと思います。小さな子供たちはサンタクロースが24日の深夜にプレゼントを運んでくると信じているので、寝る前にサンタクロースのためにクッキーとミルクを用意したりなんかもします。(そのクッキーを夜中に食べながらプレゼントを包む作業をするのは親たちです)

最近はハイテクな子供も増えて、親に内緒で隠しカメラを設置したところ、サンタクロースは自分の親や爺ちゃん、婆ちゃんだったことが発覚してしまったという経験をした子供たちもいるようです。そして「サンタは噓だった」という体験談を学校で語る子供もいるので、早いうちにサンタは嘘話だったと知る子供も多し。またはYoutubeなどで知ってしまうでしょう。

公共の場では特定の宗教観を避けるために、クリスマスシーズン中は「ハッピーホリデー」と相手に対してお祝いを述べるのが主流ですが、2020年の大統領選挙前ではポリティカル・コレクトネスが行き過ぎて、クリスマスツリーでさえも「ホリデーツリー」と呼び始めたときは、流石に皆さんもこれはおかしいと思ったようです。

私がアメリカに来て、クリスマスの行事に関して一番ビックリしたことは、アメリカ人は自分の家を丸ごとクリスマスライトで飾ってしまうことでした。たぶん物凄い電気代がかかると思うのですが、ホリデー・スピリッツなのですね。バブル期の名残で皆さん見栄っ張りなのでしょうか?それとも感電の危険を冒しても電気のメーターを外してるんでしょうか???(現行犯で捕まったら重罪ですが)ここ数年はインフレーションで電気代も高いですから規模を縮小した家庭も多いかと思います。

数十年前にオランダから遊びに来た友人たちも、この有様を目のあたりにしてひどくビックリしたようで、クリスマスライトでピッカピカにデコレーションされた家を喜んでカメラに収めてました。これは世界共通のカルチャーショックのようです。品のあるデコレーションからパチンコ屋のようになってしまった残念なデコレーションもあるので、この期間に夜ドライブしながら住宅地を眺めるのも一興です。それにしても皆さんどうやって夜中寝れるんでしょうか???

テキサス州の住宅地系のクリスマスライト
https://youtu.be/wfUsoEWGc3E?si=eUgvc-8kxc_KaTii

ブルックリンのタウンハウス系のクリスマスライト
https://youtu.be/KlhbZSF-NM4?si=uvY2qmgYYHR8WseO

スターウォーズのクリスマスライトショー(カルフォルニア州)
https://youtu.be/8zyoMQ4Khts?si=8rS1YA9uHznyg2u6


最後までお読みくださりありがとうございました。



いただいたサポートはクリエイター活動の励みになります。