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人事キャリアの私が経営戦略室を経て事業サイドに移り、MBAに進学する理由

4月から早稲田大学大学院 経営管理研究科に進学します。夜間のカリキュラムなので、引き続きフルタイムで働きながら2年間通うことになります。

30歳を迎え、人生の節目なのか、ここ2年ほどで仕事やキャリア環境がガラッと変わったかなと思うので、最近の自分の話を書きます。


これまでのキャリア

改めて自己紹介も兼ねて、これまでのキャリアについて簡単に書きます。

新卒でワークスアプリケーションズに入社してECシステムのエンプラ営業に従事し、その後2018年4月に現職のBASEに人事として入社しました。その後は採用マネージャー等を経て、経営戦略室、そしていまはFinTechサービスを扱うBASE BANK事業部にいます。BASEの在籍期間はこの4月で丸6年になります。

現場マネージャーとしてのキャリア頭打ち感

BASEでは未経験で採用業務を始めて、入社1年半でマネージャーを任せていただきました。その後もマネージャーとして2、3年ほど採用を中心に人事業務に携わります。各チームのマネージャーと協力しながら採用プロセスを再構築していき一定の成果を残せたことや、ITスタートアップの中途採用では一定の再現性が出せる経験ができたと自負しています。

しかし採用業務に携わって2、3年が経過し、もっと責任範囲を拡大して次のキャリアステップに進まないといけないという焦りが出てきました。

人事にキャリアチェンジしてからは、自分のキャリアゴールは「将来どこかの企業でCHROになる」と心の中で掲げていました。CHROになるために人事としてキャリアアップするには、全社イシューについて取り扱えるようになり、そのイシューについて経営メンバーを巻き込んだ合意形成・プロジェクト進行ができるスキルや経験が必要なのではないかと思いました。また、経営や事業への理解を深める必要もあるなと。

なのでその領域での経験を積むべく、2022年前半は採用以外にも組織開発部分にもチャレンジしていました。しかし自分の力不足がゆえに、自ら企画したものについて経営メンバーが求める水準のアウトプットを出すことに苦戦してしまい、自分の描いたキャリアステップを思うように歩めていない状態に陥ってしまいました。出せているアウトカムが拡大していないことの証左として、BASE入社後は評価のたびに昇給していたのですが、ここではじめて昇給が止まってしまいました。

この領域の経験をうまく積んでいって次のキャリアステップに進むにはどうしたらよいのか悩んでいたところ、ちょうどそのタイミングで経営戦略室の社内公募が発表されました。

2022年に新設された経営戦略室は、CEO直下でグループ全体のイシューを取り扱う組織です。まさに自分が課題に思っていたスキルや視点を身につけられる環境だと思って、応募しました。そして、無事に異動することに。

経営戦略室での仕事

経営戦略室では、人事・組織・カルチャーのイシューにこれから本格的に取り組んでいこうというタイミングだったので、これまでの人事の経験を活かしながらいくつかのタスクに取り組ませていただきました。経験豊富なメンバーから色々と指導・サポートしてもらい、全社イシューについて経営メンバーの合意形成やプロジェクト進行といった経験を積むことができました。

具体的な取り組みについては、以下をぜひご覧いただけると嬉しいです。

分からないことが何か分かり、MBA受験へ

異動した時点では経営について何も分からない状態だったので、本などで少しずつキャッチアップしていきました。どれくらい分からないレベルだったかというと、売上、売上総利益、営業利益の違い、P/LとB/Sの違いすらきちんと説明できないほどでした。今思うとめちゃくちゃ恥ずかしいですね・・・。

基礎的な知識から学習するため、初心者向けの書籍から読みました。他には企業カルチャーや人事評価など、その当時取り組んでいたプロジェクトに関する本を読むことが多かったです。読んだ本は以下にまとめています。

自分以外の経営戦略室のメンバーは経験豊富な方々たちばかりで、他のメンバーによってグループ全体の戦略やそれに紐づく各事業の戦略の検討や取りまとめが行われました。異動前は経営戦略とはそもそも何か、どんなイシューがあって、どんな解き方があるのか何も分からなかった状態でしたが、異動後に他のメンバーが各イシューを解いていく様子を見ながら少しずつキャッチアップしていく中で、経営戦略の領域で扱うテーマにはどんなものがあって、その解き方にはどんな手法があるのかが少しずつ見えてきました。「分からないことが分からない」状態から、「分からないことが何かが分かる」状態に少しずつ変わっていった感覚です。

分からないことが分かれば、あとは分かるように勉強するだけなので、自分が知らない話題が出てきたら都度そのテーマの本を読んだりしてキャッチアップしていたのですが、そもそも全体像が把握できていない状態でスポットの知識を入れても、本質的な課題発見・解決には繋げられないという課題を新たに持ちます。経営についてもっと網羅的・体系的に学べないかなと考えていたときに、ふと「それってMBAで学べるんじゃない?」と思い浮かんだんです。幸い、社内外の知り合いにMBA出身者や在学生の方がいらっしゃったので、話を聞かせてもらい、受験を決意します。

働きながら通えること、理論と実務をバランスよく学べることなどを考慮して、早稲田のMBAを受験することにしました。エッセイ課題や面接対策については先ほどの先輩方に相談し、アドバイスをもらって受験したおかげもあり、無事に合格することができました。合格者一覧で自分の受験番号を見つけたとき、とても嬉しかったのを覚えています。

次のキャリアステップに必要なのは事業経験

経営戦略室で仕事をしていく中で、CHROになるには経営の知識とともに、やはり事業経験が必要なのではないかと改めて感じるようになりました。事業の本質を理解していないと、結局人事としても本質的な課題解決ができないんじゃないかと。

事業経験を積みたいなと考えて社内で相談させてもらったところ、縁あってFinTechサービスを展開するBASE BANKチームへの異動が決まりました。

とてもわがままなことは自覚していますが、自分としては事業全体を俯瞰して戦略や計画を作ることと、自ら手を動かして事業を作ることの両方ができる環境があると嬉しいなと思っており、BASE BANKチームとしてもちょうどそういった仕事をするメンバーが必要だというタイミングだったとのことでした。事業計画の策定や新規事業立ち上げの経験が全くない中で受け入れてもらったのは本当に感謝しかないです。

事業部での仕事

前述の通り、事業計画の策定や新規事業に取り組んでいます。2023年10月に異動したのですが、年内のうちに来年度の予算作りや新規事業の検討を始めていました。こんなスピード感で、しかも「本当に私がやっていいの!?」と、こちらがビビるくらいのスピード感と任され度で仕事をさせていただいています。あとエンジニア採用が一つの重要な事業課題ということで、事業企画の立場として採用もやっています。

実際に事業をやってみると「めちゃくちゃ面白いな」というのが一番の感想です。本当に面白いです。最近は日々、個人やスモールチームの方々のお金に関する課題を解決するにはどういったサービスが必要か、もっと事業を伸ばすには何をすべきかをわりとずっと考えています。自分でも思った以上にどっぷり事業を楽しんでいるなと感じています。

今後のキャリア

CHROというキャリアゴールを目指して、そのためにMBAを受験したり、事業部に異動したのですが、実際事業をやってみると事業がめちゃくちゃ面白くて、人事のキャリアよりも事業のキャリアのほうが面白いんじゃないかとすら思ってきた、というのが最近の正直な心持ちです。とはいえ、これからMBAで学んでいったり、事業部でさらに経験を積む中で、気持ちはまだまだ揺れ動いていくと思います。まずはMBAでの2年間、勉強しながら、事業部で経験を積み重ねながら、じっくり自分のキャリアを考えていこうかなと思っています。

おわりに

実は、経営戦略室の社内公募への応募も、MBA受験も、事業部への異動も、すべて最初は「自分なんかには到底無理だ」と思っていたので、チャレンジすらしようとしていませんでした。

でも、いずれも身近な人に背中を押してもらったことでチャレンジできて、新しい仕事や機会を得ることができました。その方々の期待を裏切らないよう、しっかり恩返しができるよう頑張っていこうと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました!


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