【前編】東大A判の僕が東大に落ちた話。
初めまして。シズクと言います。
少し昔の話になりますが、僕は現役と浪人の2回東大受験に失敗しました。それも、東大模試での氏名掲載、つまりA判定からの失敗でした。
毎回A判定のような余裕を持った受験生ではなかったです。しかし、東大模試では氏名掲載、全国模試では全ての偏差値が75を超えていた自分に溺れていた僕は、なんで落ちたのか当時は全く理解ができませんでした。そこにあったのは、自分がふるいにかけられたという事実だけです。
歴史を紐解けばわかるように、後世に伝承されていく記憶は、その大半が勝者の物語です。勝者の視点から捉えられた一義的な解釈が事実として定着していく。
しかし、雌雄を決する戦いの裏には、勝者の影に潜んだ敗者の物語もあるんです。このノートでは、そういう側面から読者の皆様に気づきを与えられるような物語をみなさんに伝えたいと思って記述しています。
落ちた時はコンプが酷くて目も当てられない感じだったのですが、
少し時間が空いたからこそ、正直な気持ちを整理できます。
現役と浪人の頃の僕の成績(東大模試/全国模試)
さて、とりあえず僕の現役の時の成績を見てみないとなんとも言えないですよね。
■高3の秋の全国模試
という平凡な記録でした。偏差値70前後の地方高校に通う僕は、学校での定期テストにそこそこ真面目に取り組み、毎回のテストで学年トップクラスの成績を取るものの、模試になるとなかなか成績が取れないよくあるタイプの高校生だった気がします。名大とか阪大の旧帝大を素直に目指しておけばよかったのに、謎のプライドが僕を最難関大への受験へと駆り立てて言っていたのです。
現役の時は早慶になんて誰がいくもんかと東大一本で受験し、あっさり大差で大学に落ちてしまい、浪人生活が始まるのでした。浪人期の成績はこんな感じ。
■浪人 秋 全国模試
■浪人 秋 東大模試
とまあ、浪人期になってぐんぐんと私の成績は伸びていくのでした。そして気がついたら、第一志望に二度滑っていました。
この物語で語ること
この物語で語りたいのは、浪人中の各月に置いて、どんなことをやっていたのか、そして、別の世界線でもう一度浪人をやり直すのであれば、どう行動するかについて、皆様に反面教師にしていただくべく語っていきたいと思っています。
過去に書いていたブログを読みながら、ゆったり書いていこうかと思います。それでは、3月〜4月の間の行動について、振り返ってみようと思います。
【1】浪人開始前にやったこと
1)東大浪人前、現役の3月に僕が始めた事
僕がやったことは大きく4つ。
3月中に始めたこれらの出来事について、
・やってよかったこと
・やらなければよかったこと
・やっておけばよかったこと
これら3つの角度から振り返りを行って行こうと思います。
2)浪人の3月にやってよかったこと
■①LINEとゲームで遊びまくる
まずこれですね。3月はいわゆる浪人前の準備期間のようなものなので、目一杯羽を伸ばしきるべきです。僕はそれほどレベルが高いわけではありませんが、いわゆる進学校出身だったので大学に合格して県外に行ってしまう友達も多かった。
第一志望に落ちてしまって(特に難しい大学を受ける人は成績も元からよかったでしょうから、失敗したという事実は悲しいですよね。)悲しい気持ちもわかりますが、そんな気持ちを飲み込んで、今すぐに会える人たちと心ゆくまで一緒にいるべきです。僕は友達と離れちゃうのが少しさみしくて、何度も遊んで、ずーーっと友達とLINEしてました。その友達との付き合いは今でもあって、あの時塞ぎ込んでたら、こんなこともなかったのかもしれないな、と思います。
あとは、やりたいこと全部やりましょう。僕は、空いた時間は全てPS3とパズドラに費やしました。中途半端にだらだら浪人が始まってからやる方が良くないです。僕は、3月が終わったら一切やらない、と心に決めて、心ゆくまでゲームにどっぷりでした。
■②東大受験ブログを始める
これも自分の中ではすごくよかったな、と思っています。そもそもブログを始めた目的は、ライバルを作るためです。人間目標に邁進していく際はやはり競い合いの中で一番磨かれていくと思うのですが、僕が浪人していたのは地方の予備校で、東大文科の受験生が全くいなかったのです。そんな危機感からアメブロでブログを書き始めたのですが、これがよかった。
最初はアクセスが集まらなかったのですが、勉強モードに切り替わらなかったシズクがとりあえず12時間ぐらいぶっ続けで勉強するぐらいの勢いじゃないと本当に浪人失敗するぞと意気込み、どうせやるならネットで同じような人をたくさん集めればいいんじゃないか、という超単純な思いつきを形にして耐久勉強企画を始めたんですよね。
そしたらたくさんの人が参加してくれて、東大に向かって勉強する沢山のライバルができました。ここらへんで知り合った東大受験生たちが、この先一年のペースメーカーになっていったんです。そう行った意味では、地方の僕にはとても良い材料だったな、と思います。
■③現役時代の内容の復習
・東京書籍の世界史Bを一通り読み直しました。
・一対一の数学Aを進め、整数問題と場合の数の問題を一周しました。
・DUOと速単英単語とFORESTで単語と文法を忘れないように維持。
・大矢最難関大への英文解釈を3周ぐらいしました。
基礎知識の点検と、頭の体操で数学と英語をやっていた感じです。一日の勉強時間は3時間ぐらいだったと思います。3月の間にすこーしずつ基礎をやっていたおかげで、4月からの浪人生活はあまり苦しい思いはなかったですので、3月の間に少しだけは復習はするべきなんじゃないかな、と思います。
3)浪人の3月にやらなければよかったこと
■④新しい参考書の購入
やるべきでなかったことはこれですかね。どうせ一年間勉強してきたんやから、演習用の問題集たくさん買っておこう的なノリで、いらん演習問題をたくさん買った気がします。
・新数学スタンダード演習
・古典上達
・英文問題精構
・東大25ヶ年の持ってなかったシリーズ
などなど、一つ一つはとても良い参考書なのですが、僕はいわゆる参考書買うのが楽しくなっちゃうタイプなので、ほとんど一周軽くやって満足してしまうんですよね。結果、参考書から得た学びが全く定着しないんです。全く。当時は認められなかったんですけど、正直やる価値ないです。
特に、予備校で配られるテキストもアホ真面目に全て消化しようとしている僕みたいな真面目ちゃんには本当にオススメしないです。全部やろうとして、結局できなくて積ん読状態になってしまいますので。
予備校のテキストをきちんと舐め回す+少数の参考書を複数回きちんと回す
or
全くテキストを使わずに、参考書で演習を詰み、なんども復習する
の2パターンのどちらかに寄せなければ、非常に効率が悪いです。これは、本当に陥りがちな罠なので、本当に本当に気をつけてください。中途半端は全く意味がないです。
4)浪人の3月にやっておけばよかったこと
基礎知識の確認も大事ですが、自分のどこに弱点があるかをきちんと見つめ直す時間を取るべきだったな、と思います。
地方の優等生の東大受験生は遍くそうだと思うのですが、基本的にオールマイティーで優秀であるがゆえに、自分に苦手な科目があることを受け入れられないんですよね。その中でも自分が苦手な科目はなんなのか、自分が得意でさらに点を積める科目がなんなのかをきちんとこの時期に見据えるべきでした。何の科目を切り捨てるべきなのか、何の科目を武器にするべきなのか、きちんと決めるべきでした。
東大に余裕で受かるわけでない受験生にとって、東大受験は限られた時間の中でどれだけ効率的に得点を積めるかのゲームです。私は、浪人という時間を使って満遍なく教養を涵養したいという漠然とした態度のままこのゲームに望んでいたので、その辺の戦略性を最後まで持つことができず、やりたい勉強だけをやっていた。
例えば、自分は頭が良いから数学を勉強すれば勉強しただけ得点できるはずだ、と思い込み、1日に何時間も何時間も数学の勉強をしていました。確かに数学は解けるようになるのですが、本番では閃きが絡む博打でもあるので、得点の期待値は意外と望めなかったりするのです。特に、他教科の一点が同等の重みを持つ東大二次では特にそうです。
少なくとも秋からはこの戦略性を持つべきでした。
やりたい勉強があるなら、大学行ってやればいいんです。本当に受かることを最優先するのであれば、点取りマシーンになってください。
そんなんじゃ本当に頭が良くなったとは言えないのではないか?と思うかもしれませんが、受かるまではそんな高尚なこと考えなくていいんです。その思想もただの宗教ですし、何なら大学受験なんて、10回やれば10回とも合格者が大きく異なる、ただのゲームです。大人しくゲームには振り回されておいて、ゲームに勝ってから自分のなりたい姿を追求しましょう。
長くなってしまったが、以上が3月の振り返りでした。
【2】浪人開始後(4月〜7月)
今回は4月〜7月編です。河合塾の第一回全統模試の結果が帰ってくるぐらいまでですかね。
この時期のトピックはこの辺です。
それでは、例のごとく浪人の4〜7月にやっておいてよかったこと、悪かったこと、やっておけばよかったことを書いていこうと思います。
1)浪人の4〜7月にやっておいてよかったこと
■①洋書を読み始める
一番この時期にやっていてよかったな、と思ったのが、これですかね。洋書を読むというのは英文読解力がある程度あり、かつ受験勉強に追われていない精神的に余裕がある状態でした嗜むことができない趣味だと思います。浪人始まって間もない頃というのは、ちょうどこれらの条件をうまく満たせる頃なので、余裕のある人はぜひやってもらいたいです。
僕がこの時期に読んでいたのはラダーシリーズの「若紫」と「ナルニア国物語 ライオンと魔女」です。双方それほど難しくないですし、難しいところはすっとばして読み進めていました。洋書を読むことのいいことは、読解体力がつくことです。まず英文読解のスピードが飛躍的に上がりますし、その上余計なところに気を取られずに読み進めることができますので、本当におすすめです。(別のブログで紹介していますが、浪人期の勉強+洋書の多読でナキリは大学2年の冬にTOEIC900点を達成しています。)
特におすすめなのが、ニコラススパークス。僕が読んでいたのは、夏休みの頃ですが、文章が綺麗なのと、物語が綺麗なので僕はとってもファンです。3作品ぐらい今までに読んでいます。
なんでもいいので、自分の気に入った作品を一日1時間とか時間を決めて、その時間の中でのーんびり読んでいくと良いと思います。非常におすすめですよ。
■②基礎学習に飽きて参考書を勧める
これですね。正直やっていてよかったと思います。僕は当初は基本的に予備校のテキストを全部信じて勉強を進める予定でしたが、浪人期の前半で用いる基礎シリーズの河合塾のTテキストは簡単な問題が多く、基礎も知っている内容がほとんどだったので、応用分野はイマイチ勉強が進まなかったのが僕の個人的な感想です。
そこで、難しめの参考書を時間があるこの時期に消化していました。特にやっててよかったのは下記の2つの参考書です。
A)新数学スタンダード演習
むちゃくちゃ難しかったです。正直最初は一問も解けないんじゃないか?っていうレベルの難易度でした。ちょうど5月ごろに始め、7月ごろに一周が終わっていました。初見でほとんどの問題は解けなかった気がしますが、平日は1日2時間ほど、休日は1日4時間ほど時間をとってコツコツ進めていました。結果この参考書は浪人が終わるまでに4周するのですが、第二回、第三回の全統記述模試では数学の偏差値75オーバー、東大模試でも60前後の偏差値を出せていた気がします。
時間があるうちにきちんと参考書を消化しようとした自分のやり方がこればかりはよかったのかな、と思っています。やはり参考書は消化しきらないとなんの意味もありません。スタ演も結果が出たのは2周めが終わってからだった気がします。
B)英文解釈の透視図
とっても古い英文解釈の本ですが、とってもとっても良書です。僕はこの本をやり始めてから、英文の読み方が大きく変わりました。TOEIC900点を取れたのもこの参考書の貢献が大きいです。7月までの段階ではちょうど一周おわった感じだったと思います。
この本も結局4周ほどやって消化しきりました。この本をやることで何が一番変わったかというと、「英文で構文を取れないことがほとんどなくなった」です。立ち止まって読めば、だいたいその英文がどのような文構造になっているかわかりますし、特に落ち着いて読む必要がないところは、洋書を読む感じでサラサラーと読んでいけば良いので、全く意味がわかりませんとなることはほとんどなかったですね。
ただ、透視図は前提として基本の単語・文法事項がほぼ完璧でなければやる価値がありませんので、そこがまだ微妙だな、と思う方は大人しく文法と単語をコツコツやりましょう。ただ、この手の難しい参考書は腰を据えてじっくり取り組む必要があると思いますので、夏休みまでには着手しておくべきかなというのが個人的な感想です。やっていて正解でした。
2)浪人の4〜7月にやらなければよかったこと
■③センターと二次の得点計画を立て始める
ぼくは間違いなくこれですね。得点シミュレーションのやり方をミスりました。計画を立てるのは構わないですが、アクションが伴うものとなっていなければなりません。僕はそこが激甘だった。
僕のシュミレーションって希望的観測でしかなかったんですよ。僕は数学頑張ってるから本番50点は取れるだろう。英語は得意だから90点は取れるだろう。世界史と地理は僕の得意科目だから40点ずつは取れるだろう、みたいな。そこには根拠がなーんにもなかったんです。ただ自分の自尊心を満たすだけのオ◯ニーだったわけです。
シミュレーションというかいわゆる定量的情報を用いた未来予測全てに言えることですが、数字を弾くことに全く意味はありません。大事なのは、その数字を元に自分がどうしたいか、自分がどう行動を変えようと思ったかです。
なので、本当に勝ちに行くのであれば、センターと二次の得点計画はこう立ててください。見栄張っちゃダメですよ。
このフローで出してください。
そうすると、自ずとどの教科にどれだけ時間を割くべきかが見えてくるはずです。
英語:80
数学:40
国語:60
世界史:40
地理:40
その年の難易度にもよりますが、各教科上の得点を超えるには、非常に労力がかかりますので注意してください。僕は数学に時間を使いすぎて失敗したタイプです。数学に費やした時間を全て英語に費やしていれば簡単に合格していたと思います。
そのような戦略性を持った勉強ができるように、この時期からきちんとシミュレーションはやっておくべきです。計画は立てるべきですが、中途半端に適当にやるぐらいならやらないほうがマシです。
■④ネットで知り合った人たちとグループラインで世界史論述をし合う
これもイマイチでしたね。。。ネットで知り合った人たち5人ぐらいでグループラインを作って世界史の論述問題の回答を出し合いアプローチの仕方をお互いにフィードバックし合うという勉強を毎週していたのですが、正直効果がイマイチでした。
まず何よりインターネットでかつタイピングという手段は個人へのフィードバックに向いてませんでした。遅い。言いたいことをパッと言えないし、指摘が他の人と偶然被っちゃうこともあるし、とにかくコミュニケーションがしづらかった。スカイプとかで対話方式でやるなら良い木がするけど、あったこともないような人と最初からそんなことやる余裕は僕にはなかった。
あとは、それぞれがプロではないので、すごくフィードバックが曖昧になってしまう点も問題だった。集団心理の常ではあるが発言量が偏るのも問題だったな、と思う。
だから、ネットで知り合った人とインターネットで一緒に勉強するみたいなことは僕はやる必要はないかな、と思いました。
次は夏休みですね。この辺りからほとんど記憶がありません笑
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