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Azure OpenAI Service「On your data」で実現するセキュリティを担保した社内DX

こんにちは!株式会社ニジボックス UX・ディレクション室 室長の吉川です。
今回はAzure OpenAI Serviceで自社データを取り込むことができる「On your data」が一般提供されたので、そのご紹介です!

この機能。大企業などでは今後かなり重宝されそうな機能だと思っていまして、企業がAIを導入するにあたって必ず壁となるのが「セキュリティ」です。

AIを使う目的として需要が多いケースとして
「自社データを使ってQ&Aやコンサル目的で使う」があると思いますが
「学習データとして万が一利用されたら?」「機密情報がもれたら?」などの懸念から推進が難しい実態が多く、この「On your data」はそれを解決する大きな機能になりそうな気がします。

1.これまでの自社データのAI活用方法

以前、以下のような記事を書きましたが

これでやりたかったことも自社データをセキュリティを担保した上でAIで使うということです。

ChatGPTのAPIを自社データでファインチューニングして使う。
またPythonで自社の外部データを読み込むことで、学習データとして使われない形で自社の独自チャットボットを作ろうとしました。
しかし、これが必要無くできてしまうのが「On your data」なのです。

2.「On your data」を使った自社データのAI活用方法

「On your data」は上記のように、自社で独自に環境を構築することなく、独自データを参照して回答するチャットボットを構築することができます。
※つまり自分がやろうとしたことが、これですでにできてしまっている。。

利用するには「Azureサブスクリプション」を作成(個人でも可)した後、「Azure OpenAI Service」へのアクセス申請をし承認を得る(企業のみ可)必要がありますが、これを利用するとモデルの学習データとして利用されることがなくAzure OpenAIが持つMicrosoft社が提供する強固なセキュリティで安心して独自データのAI利用が可能となります。

3.実際の想定利用シーン

以下のようなケースで活躍を期待できると思います。

・社内QAの効率化
自社データのみから適切な回答をするチャットボットを作成し、就業規則や何かあった場合の社内ルール確認などを、まずはAIが回答する。

・制作物のAIによる一次チェック
自社の制作物ルールをチェックするチャットボットを作成し、記事等を作成したときにルールに違反している表現がないかを確認、修正案まで出してもらう。

・AIによる新入社員教育
自社の教育データから、まずは動画で学習後、質問にはAIが答えることで講師側の工数を大きく削減する。

・法務チェックの効率化
自社の法務ルールから適切な回答をするチャットボットを作成し、法務上問題ないかの判断をまずはAIに確認する。

などなど、最終的には人間が判断する必要はありますが、その効率を大きく向上させることが期待できると思います!

最後に

今回は実例ではなく紹介のみとなりますが、この機能は企業のDXを大きく進める可能性がある機能になる気がします。

企業それぞれのセキュリティ基準があると思うので、それぞれの基準に合った形で最適なAI導入を進めていけるとよいですね。

それでは、また次回!


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