見出し画像

aiumiのアタマノナカ#11最終回【どうしようもない、なんてことは絶対にない】

aiumiのアタマノナカ、ついに最終回となりました。私の音楽のルーツをたどりながらお送りしてきたこのシリーズ、一旦終止符を打ちます。
最後は、今この世界に生きている人なら知っているあのウイルス。その影響を受けつつ、この世界でなければ体験できなかったことを記しておこうと思います。


得体の知れない脅威と無力感

その存在を知ったとき、私は大学の練習部屋にいました。
突然誰かに呼び出された幹部がただならぬ顔で帰ってきてこう言いました。

”全て撤収です。しばらくサークル活動は停止です。”

サークルを立て直している最中でした。人数が減ったこのサークルを、なんとか演奏会できるよう”これから”本格的に動いていくというタイミングでした。

その日は直ちに楽器を戻し、不穏な雰囲気のまま帰宅しました。
自宅のテレビをつけ、ニュースには「新型のウイルスが日本にも上陸」「新型ウイルスの危険性」など昨日までとは打って変わった日常が匂ってくる。そんな情報が錯乱していました。
間もなく緊急事態宣言が発令。講義もないし、外出もまともにできない。なぜかこの時期は音楽さえ聴いていなかったように思えます。ただ楽しく音楽がしたかった。ただ楽しく音楽の話をしたかった。でも、あの時期の自分にそんな気力は生み出すことはできませんでした。ひたすらに、無力感を視界が霧のように覆っていました。

ハッピーバースデーaiumi

すっかり新型コロナウイルスの存在が日常となった夏のある日。ボーっとしてたら急に思い立ちました。

「もう、新しく音楽をするためだけの存在を生み出そう。」

そうして、Instagramを開きaiumiのアカウントを作成しました。計画性も、具体性もないまま生まれたのがaiumiです。
aiumiという名前自体は使っていましたが、アカウントを作って動かしていくことで何か自分の中で大きな支えができたような感覚になりました。

初めは一人でスタジオを借りて、練習ついでにトランペットの録音をして投稿しました。話もしたくなってきて、ラジオも自分で録りはじめました。

そして今となってはnoteにまで手を出して、自主公演したり、音楽の輪を確実に広げていくようになっていました。これは本当にあの悶々とした日々がなければ生み出されなかったと断言できます。

どうしようもない、なんてことは絶対にないと信じた日々

aiumiのSNSアカウントを立ち上げて少し経ったころ、サークル活動の方も動き始めました。
初めは、オンラインライブでした。音楽系のサークルが順々に楽曲を披露するテレビの音楽番組のような企画でした。
自ら編曲し限られた日数と制限された環境で練習しつつオンラインライブの日を迎えました。この日は今でも鮮明に覚えているのですが、初めて自分の目の前と真後ろに巨大なカメラがある状態での演奏と人数が少ない中でクオリティを担保するためにトランペットとキーボードを一曲の中で行ったり来たりして本当に大変でした。
ただ、音楽ができる喜びに勝るものはありませんでした。

そして卒業前、定期演奏会の時期。
活動している人は本当に少なかったです。
でも、諦められませんでした。サークル存続のためでもありますが、学生最後に「吹奏楽やりきった。」と思いたかったんです。
合奏ができる人数も日数もなく、相変わらず制限があったので卒業する私の学年のみソロで2曲ずつ演奏。演出は引継ぎの為にも今まで通り本格的におこなうことで落ち着きました。
スケジュール表を早急に作成し、演出を考え、編曲を行い、楽器の練習をする。
なんとか定期演奏会を行えたときは、本当に感慨深かったです。
ソロで吹く2曲が、会場に響き渡ったとき思うことはただ一つ。
「諦めないで本当によかった。」

最後に

aiumiのアタマノナカ最終回いかがでしょうか。
本当に私は改めて音楽で人生が構成されています。
喜怒哀楽を音楽通して感じてきた私は、これからも音楽と共に生きていくんだと思います。

これからもどうかaiumiをよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?