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2022/12/11_解散公演

こんにちは。上岡実来です。
昨日の解散公演をもって、しあわせ学級崩壊は解散しました。
ここまで応援くださった皆さま、お世話になった皆さま、本当にありがとうございました。

解散公演でも演目間はMCがあり、私も例に漏れず喋らせていただいたので、まずはそこで話したことを書こう、と思っていたのですが、
いざ皆さんを目の前にすると話そうと思っていたことが吹っ飛んでしまい、思うがままに話してしまったので、お話ししたかったことと、それに加えて書きたいことを書いてしまおう、と思っています。
乱文になりそうだ…お目汚し失礼します…

まずは、先のとおり、ここまで応援くださった方々、お世話になった方々への感謝の気持ちでいっぱいです。ほんとうにありがとうございます。

2015年の『どろろ天才てれび』を配信で見て、
爆音の中マイクに叫び散らす俳優の姿に、音も割れていて何が何だかわからないにも関わらず声を上げて泣いてしまってからというもの、私はしあわせ学級崩壊のファンでした。今もその気持ちは変わりません。
ひなたさんの作る音楽、言葉、全部本気で好きで全部本気でお客さんに届いてほしいなと思っていました。
この気持ちに制作としての能力がついてこなかったことが心残りです。

それでも、2018年に入団して約4年半と少し、本当にたくさんの素敵な景色を見ることができました。
『ロミオとジュリエット』や『ハムレット』で、制作としてライブハウスいっぱいのお客様をお迎えしたこと、
千穐楽で客席だけを先に解体して、スタンディング回をやった『卒業制作』の謎の熱気…
数えていけばキリがありませんが、しあわせ学級崩壊にいなければ見ることのできなかった景色や出会えなかったものごとがたくさんあると思っています。
悔しい思いや苦しい思いもたくさんしてきましたが、振り返ると濃くて楽しい4年半だったと思います。
本当にありがとうございました。

解散公演の会場の、舞台の上から見えた客席の皆さまのお顔、そして、後ろから見えた、音楽にのせて体を揺らしたり言葉をじっと聞いていてくださる皆さまの背中、そのどちらも、本当に愛おしい光景でした。
昨日の公演に限らず、皆さまのことを会場でお迎えし、共に作品を楽しんだ時間は、何にも代え難い時間だったと思います。


解散にあたって皆さんにお伝えしたかったことは感謝に尽きる、のですが、せっかくなので、最後に思い出を振り返っておこうと思います。

2017年、『憂憂憂憂憂憂憂憂憂憂(((((脱/神的)))))→→→→→ファズる←←←←←(((((17歳の、。)))))憂憂憂憂憂憂憂憂憂憂』で初めてしあわせ学級に出演しました。
3部構成の第1部を任せていただいたのですが、
第1部でやった体の動きを第2部以降もリフレインさせる、すなわち私は上演時間のほとんど全ての時間体を動かしていなければならない役になる、という構成で、どうにかこれを見せ物として成立させるために、へっぽこ体力人間だった己の体をあの手この手で叩き直して(ひなたさんに頭を抱えさせながら)やり切ったのを思い出します。身体が悲鳴をあげるしんどい作品でしたが、同時に、とても大事な作品になりました。
2018年、『非国民的演劇』で王子小劇場デビューをご一緒させていただきました。振り返ってみると、ここでご一緒した多くの方々と今も長くご縁がつながっています。ありがたいことです…
この公演の少し後で、大学近くの居酒屋でお酒をご馳走になりながら、ひなたさんと田中さんから、「劇団の制作にならないか」というお誘いをいただきました。
就職活動を始めて、俳優を続けられるかどうかも迷っていた頃で、その話をひなたさんや田中さんにもしていたので、そうだよな、と思いながらも、正直なところ少し複雑な気持ちがありました。
就職しても、しあわせ学級崩壊の制作になっても、俳優として活動を続けることを諦めたくない、と話して、「俳優・制作」として入団を決めました。
以降の『メスイキちゃん』『1001100000110101000100101』『ロミオとジュリエット』『卒業制作』『ハムレット』『幸福な家族のための十五楽章』『終息点』には主に制作として関与し、作法も慣習もよくわかっていないところから、たくさんの方々に温かいご指導をいただき、どうにか、コロナ禍での公演中止・再演のあれこれや、大きな劇場での公演を無事完遂することができるところまでに成長できました。
企画制作のあげさんなしにこんなことできなかったな、とは思いますし、ずっとあげさんに追いつけない不甲斐なさに苦しんできたなというのが本音でもありますが、それでも、どの公演も会場にお客様をお迎えし、無事上演を終えて送り出すことができたときには、その苦しさを忘れるくらいの喜びがあったのも本当です。
俳優として出演したリーディング短編集、私は『マリヴロンと少女』『しおのエクボ』『よだかの星』をやらせていただきました。
声を載せる音楽の中身も、読むテキストも変わらないのに、やるたび新しく何かを得ていくような気がしたのは、会場にいらっしゃる皆様からたくさんもらうものがあったからなんだろうなと思います。
出演のない日は会場の運営を担当していましたが、そのとき、自分の演目を見ていてくださった方から直接お声がけをいただくことがありました。解散公演の日には、お手紙で過去の演目のご感想をいただきました。
終われば消えてしまう演劇が、誰かの記憶の中で生きていてくれることをとてもとても嬉しく思いました。

しあわせ学級崩壊は無くなってしまいましたが、
誰かが覚えていてくれる限り、消えてしまうことはないよなあ、と、私は思っています。
良かったら、私と一緒にしあわせ学級崩壊のことをみんなに覚えていてほしいなあ、なんてわがままなことを考えて、こんなに長々と色んなことをしたためてしまいました。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

最後に、大事なことをふたつ書いて終わりにします。
ひなたさんが、演劇のない生活に漕ぎ出していくことを、私自身はポジティブに捉えています。1人の劇団員であり後輩であり友人として、ひなたさんがどこかで元気にやっていてくれたら、それが一番うれしいです。

そして、私はまだまだ演劇を続けます。長い人生、どこかでひと休みもあるかもしれませんが、ひとまず走れるところまで行ってみようと思っています。
どうか、今後とも応援のほど、よろしくお願いいたします。

2022年12月12日 上岡実来



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