ただの素人

35歳までの目標「自己内外の融合」。 自己の中に秘めるもの、思考、意見、記憶を自己外へ…

ただの素人

35歳までの目標「自己内外の融合」。 自己の中に秘めるもの、思考、意見、記憶を自己外へと表現することが目標です。 日本語教師。大阪。きのこ反対派。 初めまして。千客万来。

マガジン

  • 咲かざる者たちよ

    危険ですので、近づかないでください。 まもなく撤去します。

  • 13歳、懲役6年。

    ⚪︎note創作大賞2024 [エッセイ部門]応募作⚪︎ 13歳、中学1年から高校3年まで暮らしていた、寮での記録をエッセイのマネごとのようにまとめています。 全て実話です。

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自己紹介

文章を書くなんて、わたしにとって暇つぶし以外の何ものでもありません。 それ以上でも以下でもありません。 なぜならわたしは、作家でもなんでもない、 ただの素人ですから。 しかし、わたしは、 思考を巡らせ文章化する、 たったそれだけのことに震えるほど情熱を感じます。 読まれなくてもいいんです。 気づかれなくてもいいんです。 わたしはただ、自己内にあるものを自己外へ表現放出する術を見つけたのです。 それだけなのです。 マガジンに、わたしの暇つぶしの結晶のようなものがありますの

    • PM6:44

      いつものようにAM5:50に目が覚める。田舎は朝にニワトリが鳴き、都会ではカラスが鳴くようだ。バイクやパトカーも鳴く。うるさい。 脳に能に身体に精神に、退行を感じる水曜日の夕方。空は夜。 記憶力という筋肉があるのであれば、是非ともパソーナルトレーナーでもつけてトレーニングしたい。どうして能力を維持するだけのことが、こうも難しいのだろうか。記憶力も語学力も、日本語読解力すら音を立てて落ちていく。  もっと本を読まなければならぬ。1日10分でもいい。語学を勉強せねばならぬ。英語

      • 紅茶は甘めで

        安い靴底に空いた穴が痛くて夜の道。 いつもと違う歩き方に両耳から鳴るリズムを乗せて。 最近よく抜ける髪を気にして夜の道。 抜けた髪の数だけ、いい大人になれたらいいのに。 ストレスに蝕まれる自分を憐んで夜の道。 私は私のまま生きていていいの? ただ、真実を欲して夜の道。 あと少しの穏やかな心と、うんと甘い紅茶も。

        • 7色の黒

          赤はあまりに艶やかで 橙はあまりに明るくて 黄はあまりに眩しくて 緑はあまりに生命溢れ 青はあまりに爽やかで 藍色はあまりに静寂で 紫はあまりに神秘的だ こんな無様なわたしを彩る色など 一体この世界のどこに存在しようか。 喉の奥まで黒められ、塗り潰され 誰にも気づかれずに影に消えていく。 そんな理想を思い浮かべて夜。 よければどうぞ↓

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        • 咲かざる者たちよ
          30本
        • 13歳、懲役6年。
          16本

        記事

          人。

          人照すは、星。 星映すは、海。 海包むは、空。 空燻すは、山。 山裂くは、川。 川護るは、竜。 竜癒すは、夢。 夢壊すは、人。 人欺くは、人。 創作大賞2024応募作品「咲かざる者たちよ」 ぜひお読みください。

          思考の窓

          窓を開けよう。 外の世界を見よう。 見て、感じて、聞いて、疑って、混ざって、受け入れよう。 いつか景色が、風が、匂いが、気温が、あなたの元へ思考を運ぶから。 雨が入り込んでこようと、強風にカーテンが暴れ舞おうと、雷が落ちようと、 思考の窓は決して閉めてはならない。 閉めたら最後、二度とそれは開くことはない。 創作大賞2024参加作「咲かざる者たちよ」 よければどうぞ。

          布は糸から

          「いま」が終わる。 そう、たった今「いま」が終わる。 轟音と共に駆ける「いま」の濁流にのまれて、皆等しく死へ向かっている。 「いま」の連なりが人生を編むならば、わたしはこの過ぎゆく「いま」に、もっと心を注がねばならないのではないだろうか。 そう、たった今「いま」が終わる。 今。 こちらの小説も、よければどうぞ。

          欠落

          人は欠落を受け入れ、惹かれあう。 しかしその欠落が多すぎると、 人から受け入れられず、引かれてしまう。 ちょうどわたしがそうであるように。 こちらもどうぞ。

          オレノ辞書【調和】

          【調和】 ・環境との調和 環境への理解と歩み寄りが必要。部外者は、既にその環境下にいる人たちを観察し、彼らに馴染み溶け込むことが最低限の礼儀やマナーである。 ⭐︎郷に入らば郷に従え ・人との調和 双方の歩み寄りが必要。しかし人は自我を持つため、「真の人との調和」は、この世に存在しない。赤と青がどちらかの色に変わることは調和とは言えない。完全に混ざり合い、紫になってはじめて、真の調和と言える。しかしそれには人のもつ年齢や経歴や自信からなる強い芯や、強い意思が障壁となりうる。

          オレノ辞書【調和】

          薄れゆく罪の意識

          生きるとは罪を重ねること。 罪人の如く生き、 罪人の如く死んでゆく。 わたしたちはただ、 互いにそれを許し合うことで 自分の中にある罪の意識から 目を背けているだけではないか。 今日も罪深いわたしを、 君は許すことができるだろうか? 創作大賞2024 [恋愛小説部門]に応募した小説もどうぞ。

          薄れゆく罪の意識

          呑まれる

          容赦なく街を呑み、命を奪う自然の姿は、 無邪気に玩具を転がす赤ん坊によく似ている。 際限のない欲に呑まれ、己を見失う者の姿は、 ひとり泣き叫ぶ赤ん坊によく似ている。 こちらも良ければどうぞ。

          咲かざる者たちよ(第三十話)

          〜エピローグ〜  眞島がこの町を訪れたのは七年ぶりのことだった。かつては艶のある栗色の髪だったが、今では風が吹くたびにその髪からちらちらと白髪が光って目立つようになっていた。 「懐かしい…。」 そう呟きながら、彼女は花屋の前で立ち止まった。七年前、家族と別れた眞島は花屋も辞めて、遠い町でひっそりと暮らしていた。扉を開けると、変わらない店内の雰囲気と見知らぬ女性の店員が迎えてくれた。眞島は店内を一巡し、レジカウンターの横の小窓から外を眺めた。そこには七年前と変わらない景色が広

          咲かざる者たちよ(第三十話)

          咲かざる者たちよ(第二十九話)

           気づけば夜が更けていた。喜多山が遺した手帳を読み終えたヤエは、立ち上がって伸びをし、窓に近づいた。ヤエはつい数時間前に喜多山が亡くなったことが、信じられなかった。切なさが疲労感となり、窓に映る自分の顔に浮かび上がっていた。ヤエは、雪が降り積もりうっすら白くなった道を見て、父を想った。父が他界したのは三年も前の出来事であるにもかかわらず、それが喜多山の死と重なり、悲しみが鮮明に蘇った。無性に母の顔を見たくなったヤエは、階段を静かに下りて一階へと向かった。そこには雑誌を広げたま

          咲かざる者たちよ(第二十九話)

          咲かざる者たちよ(第二十八話)

           朝日が静かに部屋に差し込み、薄明かりが喜多山の顔を照らしていた。喜多山にはもう起き上がる力すら残っていなかった。 「(僕は……このまま眞島さんに会えず、死んでしまうのか……。)」そう心の中で呟き、ぼんやりと天井を見つめた。喜多山は手帳に手を伸ばし、微かに動く指先で再び掴もうとしたが、力が入らずそのまま手帳はベッドの下に落ちた。しかし目を閉じると、これまで何度も読み返したせいか、手帳の内容が脳裏に鮮やかに浮かび上がった。  -それは、かつて母と二人暮らしをしていた狭い部屋の

          咲かざる者たちよ(第二十八話)

          咲かざる者たちよ(第二十七話)

           時刻は午後六時前だというのに、外はもうすっかり夜の帳が下りていた。過ぎ去る秋の速さに、ふと身震いを覚えた。喜多山の身体は徐々に衰弱していき、その腕は以前にも増して細くなり、青白かった顔は黄色がかり、正気の色を失っていった。 喜多山は震える手で、手帳に文字を綴り続けた。そして一日に何度も手帳を読み返しては、眞島のことを思い浮かべた。 「…はぁ…。ま、眞島さん…。」喜多山は掠れた声で、独り呟いた。花瓶の水を替えることはおろか、窓際に置かれたリンドウの方を向くことすらできなかった

          咲かざる者たちよ(第二十七話)

          咲かざる者たちよ(第二十六話)

           喜多山は目を覚まし、そこが病室であることに気づいた。まだ残る目眩を感じつつ、再び目を閉じようとした瞬間、眞島との約束が頭をよぎり、飛び上がるようにして身体を起こした。ベッドを囲むカーテンを力強く開くと、窓の向こうに夜の闇が広がっていた。喜多山が立ち上がろうとした瞬間、腕に点滴のチューブが絡まった。慎重に点滴のチューブを手繰り寄せながら窓まで歩くと、眼前にはただ無限の闇が広がっていた。煌々と輝く病室の蛍光灯が、夜の闇を一層際立たせていた。ベッドのそばにある小さなテーブルには、

          咲かざる者たちよ(第二十六話)