咲かざる者たちよ(第九話)
〜第九話〜
その夏、高校二年生である喜多山のもとに祖父の訃報が届き、急いで帰宅することになった。祖母が改札口で待っていてくれていた。ホームから階段を降りてくる途中、改札口を見ても、祖母の姿がかつてのようにはっきりと認識できぬほど、祖母は小さく、老いて見えた。「よく帰ってきたねぇ。今日はこのままおじいちゃんのところ行くからねぇ。」と言いながら喜多山が持つ荷物を手伝おうとしたが、喜多山は荷物をぐっと引き寄せ、「大丈夫。僕一人で持てるから。大丈夫。」と優しく断った。喜多山はかな