Startup Weekend宮崎vol.2
はじめに
先日2/16-18の日程でStartup Weekend(以下、SW)宮崎vol.2が実施され、ファシリテーターとして務めさせていただきました。
Startup Weekendとは?といったご説明は先だってのSWファシリテーター就任所信表明内で記載しておりますので、そちらをご覧いただければ幸いです。
また、当日の様子など、公式レポートはオーガナイザーにより作成予定ですので、こちらは私が運営を通じて得た学びなどを書かせていただきます。
このくだり、もはや恒例なので、過去の記事を観たい方は下記マガジンよりどうぞ。
追記:オーガナイザー作成によるレポートが公開されました。
当日の様子を知りたい方はこちら。
SWコミュニティにおけるオーガナイザーに適した属性と適さない属性
これは宮崎に限った話ではなく、複数個所での開催を通じて感じていることですが、SWオーガナイザーに向いている人と、向いていない人は確実に居るなぁと思います。
まず、向いている人。
Give Firstな人
人の成長を自らの成長と重ね合わせて感じられる人
自らも成長したい人
SWを活用して地域を良くしたい人
上記も含め、SWを通じて実現したい事柄がある人
前半は説明不要かと思いますが、後半については、少し解説を。
SWを通じて実現したい事柄がある人、というのは裏返して言えば、単純にスタッフとして動きたい人、というのは正直あまりSWオーガナイザーには向いていないと思います。
もちろん、そのような方も頭数的に居ていただくのが必ずしもNGというわけではないのですが、チームというのは人数が増えれば増えるほど、おのずと個々人のコミットメントが薄れていきます。(良い悪いではなく、傾向として)
そうした中で、単にいる人、というのは必ずしもポジティブな存在ではなくなってしまうのですよね。
もちろん、そんな中でも自分の中で確固として何か得たいスキルがあったり、場への貢献意識がある方であればよくて、それが「SWを通じて実現したい事柄」という意味です。
一方で、向かない人。
向いている人にあげた特徴と反対な人
というだけでなく、既に自分を賭して実現したい事柄がある人
特に後者(自分を賭して~)は大事で、変な話SWオーガナイザーを務めることでリソースを割いている場合ではなく邁進してほしいし、それを咎めるような人はオーガナイザーにはいない(はず)。
SWを大切に思ってくれているのであれば、そのお返しはオーガナイザーとしてではなく、コーチやジャッジ、スポンサーとして関われるような方になっていただきたい、と切に願います。
そうした方が立ち位置は変わりながらも関わっていただけるのがSWコミュニティの良さではないかと思う次第です。
総じて言うと、SWオーガナイザーに向いている人は、自分のリソースを費やす何かを探したいと思っていつつも未だ出会えていない人。SWオーガナイザーに向いていない人は、そもそも自分のリソースを費やしたくない人、あるいは既にリソースを費やす先を見つけている人ですね。
SWオーガナイザーにおける可処分時間差について
これはSWオーガナイザー特有の話というよりは、もっと一般的にはチームで取り組むボランティア活動についての話だとは思います。
それぞれ異なる背景・環境を持つボランティアチームメンバーの間では、どうしても「私はこんなにやってるのにあの人は全然行動してない」と他メンバーへの不満を募らせたり、あるいは「ほとんど動けず申し訳ない、チームに居続けて良いんだろうか」と自分を責めたりするケースが散見されます。
個人的には、それぞれの可処分時間(=自由になる時間)は全く異なる中で、費やせる時間の絶対量で不満を持ったり責めたりするのは見当違いだな、と思います。
人は誰も一人で生きているわけではない中で、それぞれの自由になる時間の差に考えを巡らせたうえで、その中でも各々時間を捻出していることについて互いに敬意を払ったうえで、トータルとしてどうプロジェクトを成立させるためのリソースをかき集めるのか、というのが肝なのではと思います。(前段の話にも通じますが)
ただし、その中でも大事なのはどれ位のリソースを割けるかをきちんと共有することと、相互の連絡にはしっかり応えること(応えられないならその事情と期間を伝えること)、そして予定が変わったのならなるべく早く連絡すること、まぁいわゆる報連相ですね。
同じ会社に所属しているわけでもなく普段から顔を合わせることが少ない関係性だからこそ、この辺りはとても大事だと思います。
SWに小学生が参加することの是非
SW宮崎vol.2では複数の小学生が参加していました。
実は宮崎の前にも、とある地域で開催支援していただいている方から「子供が参加しているのは、本気で起業を目指すようなイベントじゃないという証拠だろう」と指摘されたこともありました。
これに対して、当時の私はそれもそうだ、と当時のファシリテーターと話して小学生は除外したほうが良いのでは?という議論をしたことがあります。
その時の結論としては「多様性を認めることも重要」ということで決着したのですが、実は私はあまり納得していなかったのが実情です。
また、他の地域でも終了後の参加者アンケート内で「子供がいることで他の方の集中力がそがれたり迷惑をこうむった」といった声をいただくこともありました。
果たして本当に小学生(あるいは子供)の参加を認めるべきなのでしょうか?
私の中では、今回のSW宮崎でこの疑問に対する結論は出たかなと思っています。
結論としては「小学生(子供)も参加して良い。むしろ場にポジティブな影響を与える」です。
宮崎では、小学生をメンバーに加えたチームが入賞しました。1位になったのは小学生のアイデアを形にしたチームでした。
こう書くと、子供が居ることを加点要素として、あるいはおもねって審査したのでは、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは全く違います。(そのように思うこと自体、審査を行っていただいた方への侮辱だとすら思います)
それぞれのチームでは、子供の率直な意見をもとにどんどんアイデアをブラッシュアップしていった、言い換えると検証を高速回転させていたのです。大人同士だとお互いの意見に気を使って議論だけが行われ、本質的な検証に取り掛かるまで時間がかかってしまうケースも多々見受けられます。一方で子供は素直です(一般的には)。嫌なものは嫌、良いものは良い、と伝えます。だから無駄な議論は行わず先に進むことが出来ます。
マシュマロチャレンジというゲームをご存じでしょうか?簡単に言うとチームに分かれてパスタとテープ・糸を使ってどれだけ高くにマシュマロを置けるのか、というゲームで、チームビルディングのワークショップにも活用されています。
このゲーム、子供同士のチームの方が大人達のチームよりも高い記録を出すのだとか。これも試行のサイクルが速い事の証左なのではないでしょうか。
確かに、子供がいる会場では予定通りに物事が進まなかったり、集中力がそがれるようなこともあるでしょう。でもそれって別に当たり前のことですよね。そういったことも踏まえて、他責ではなく自ら道を切り拓いてこそ。嫌なら会場を出て自分たちで別の会議室を借りるなどすれば良いのです。
3日間小学生と過ごしたとあるメンバーは「やっぱり子供は苦手です」とつぶやいていたのが印象的です。その中でも優勝するのが本当の力というものでは、と思った次第です。
終わりに
改めて感じるのはSWの理念や運営ルールというのは全世界で開催されてきた中で確立してきたもので、そこには様々な考え方、あるいは哲学が含まれているという事。
これは一参加者という立場だけでも、単にオーガナイザーとして活動しているだけでもなく、ファシリテーターとしての活動の中で自分の口から様々な事を伝えることで初めて気付くことも多く、まだまだ修行が足りないという事と同時にファシリテーターとしての役割の面白さとも感じています。
個人的な目標としては、九州内での各地域での立ち上げも応援していきたいという事もあり、私自身もAll Actionしていきたいと思います。
直近では明日から始まるSW久留米vol.1と、4/19-21で開催されるSW鹿児島がありますので、ご興味のある方はぜひご参加いただければ幸いです。
※SW久留米はあと1時間程度で募集締切ですので、ぜひ鹿児島にご参加ください
いただいたサポートは、地域の課題をITの力で解決するITコミュニティ「Code for Kitakysuhu」の活動や、北九州市内のテイクアウト情報を提供するサービス「北九州テイクアウトマップ」の運営に充てさせていただきます。