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#122 stand時間

 写真はiPhoneアプリの画面で,私の一年間の「スタンド時間(分)」の結果グラフです.

「体調」を「見る」

 新型コロナ感染症対策で遠隔講義が始まってから”運動不足”気味で,さらに今年の夏の猛暑で,屋外での運動を控えているのも追い打ちをかけています.50歳を過ぎたころから高血圧とコレステロールが健康診断で引っ掛かるようになってから,いつもAppleWatchとiPhoneを使って一日のいろいろな運動や消費エネルギーなどの数値やグラフを見ることで,自分の「体調」を「見て」います.

iPhoneアプリの「アクティビティ」

 そんな体調をみているアプリに「アクティビティ」があります.いくつか表示される項目の一つの「スタンド時間」は,立ち上がって1分以上体を動かせばカウントされます.一般的な表示では,一時間のうち1分以上体を動かせば,1時間単位で合計を求めていきます.例えば,1時間おきにそれぞれ2分ずつ体を動かしても,「スタンド2時間」と計算されます.この表示時間は「立ち続けていた時間」ではなく,「立ち上がった時間」を1時間ごとに塗りつぶしていく感じです.ちょっと違和感がありますが,多めに表示されるので利用者は”運動したなぁ~”と思えて満足かもしれません.(顧客満足度customer satisfaction, CSを高める戦略ですね.)自分が設定した目標値(ゴール)をクリアすると,「おめでとう」の文字表示と,カレンダに達成した日には色塗りがされ,「夏休みのラジオ体操の出席ハンコ」みたいに集まると嬉しくなります.(CSがますます高まります.)

トレンド(傾向)を見る

 アクティビティの「トレンド」の中の「スタンド時間」は,より細かいデータです.この「スタンド時間(分)」は,一時間あたりの起立して移動している時間の推定値で,表示は「分」です.他のトレンド表示と同様に,過去一年間の棒グラフと年平均と直近三か月平均が示され,全体の傾向(トレンド)が一目でわかります.

新型コロナ対応開始後のスタンド時間(分)

 この一年間の変化をこのnote記事のヘッダ写真として掲載しました.これを見ると,平均ではわずか1分違うだけなのですが,実際には特徴的な変化をしています.4月以降,普段は行うであるはずの教室での講義を担当していないので,パソコンの前に座っての作業が増え,明らかに活動が減少しています.睡眠時間がこの計算に入っているかわかりませんが,もし入っているなら,睡眠・食事などの時間をのぞいた時間で計算すれば,実際の差はもっと大きいことになります.

”stand”?

 英語のstandには,「我慢する」「耐える」という意味もあります.遠隔授業が始まって,長時間椅子に座って画面を見る時間が長くなり,立ち上がって移動する時間は減りました.一方,いろいろと思い通りにできないことが増え,我慢する(stand)時間が増えました.

 一人では弱い存在のヒトですから,社会を作り共同で対応する人間となりました.新型コロナ感染症に対しても,我慢だけでなく”適応”する力をここでこそ発揮して,新しい生活スタイルで未来器切り開いていくことと信じています.今は過渡期だと思います.次の定常状態に達するまで,もう少しだけstandが必要かもしれません.