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#90 「アルゴリズムが形作る世界」お気に入りのTED talk(7)

TEDのプレゼンは、自分に合うものと出会うと、本当に楽しいです。まるで、図書館で背表紙のタイトルや装丁が気に入って、それまで読んだことがなかった作家の本が自分にとって面白いと感じられる、あの”偶然の出会い”の喜びに似ています。

このプレゼンの中で印象的だったのは、冒頭の山岳写真と、「ウォールストリートには物理学者が2千人います 私はその1人です」という言葉でした。ネタバレになるので、ここでは詳細には触れません。(自分で知る喜びを奪うのは、本当に申し訳ないですから。)

「アルゴリズム」が毎日の生活に、しっかりと我々の生活をコントロールしているのを、あまり実感していないかもしれません。でも意外と、自分の意志ではないところで、私たちは「コンピュータ操(あやつ)られて」います。

例えば、ウェブ上で何か買い物をすると、「○○を購入した方は、△△も購入しています。」と候補が出てくると、ついついそのリストを見て、”イラナイモノ”まで買うことがありませんか?(笑) 検索したときに表示される膨大なリスト、「画面スクロールして、二画面先まで見ますか?」たぶん、何となく検索上位にあるものが、「おススメ」だと勘違いしていませんか?以前のnote記事でも書きましたが、どのように提示するかで閲覧者の行動はある程度コントロールが可能なようです。

「アルゴリズムって何?」と聞かれれば、ザックリ言ってしまえば、「数学」だと思います。現代の社会は、「数学」に支配されつつあると言っても言い過ぎではないと思います。「人工知能」「Deep Learning」といっても、結局は、「線形代数」「確率統計」「信号処理」といった数学の分野の活用の仕方で呼び方を変えただけだと思います。大規模ネットワークと高速コンピュータが登場したおかげで、チューリング以来のアイデアがここ最近にやっと実現化しました。

アルゴリズムを作りコンピュータに実装するのは、人間です。コンピュータが世界を作るのではなく、結局は人間が”社会”を作っています。

さて、TEDの冒頭山岳写真、今はどうなっているのでしょうか?とても不安です。山頂がなだらかで、標高が高いまま続くことを願っています。 (この意味は、TEDをご覧いただくとお分かりになります。)

(写真引用元:https://photo.mie-eetoko.com/photo/287 三重県御在所岳ロープウェー)