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#92 YMO & Snake Man Show

 「スネーク・マンショーって、知ってる?」中学生の頃、友達が質問してきました。「何それ、新しい漫才のショー?」と聞き返しました。”The漫才”と、漫才ブームで連日テレビで放送があった頃です。

Yellow Magic Orchestra ?

電子楽器を使った「テクノポップ」と呼ばれる音楽のジャンルが世界で始まったころ、YMOという日本人三人組のバンドが有名になり、世界ツアーもしていて「TOKIO,TOKIO」とラジオから聞こえていました。彼らの『増殖』というアルバムの中にYMOとは別ユニットの”SnakeMan Show”はYMOとは別のユニットでアルバムに”漫談”がいくつか同時に収められていました。前後にテクノポップがあるのですが、「笑える話」の間に音楽が挿入されている感じです。YMOには東京藝大の坂本龍一さんがいるので、今になって思えば、きっとムソルグスキーの「展覧会の絵」を下敷きにしたのではないかと推察します。奇数章と偶数章で曲調が変わり、美術館に展示されている絵を眺めている優雅な曲調の小章節と、現代音楽風の不協和音がちりばめられた”ロック音楽”のような小章節が交互に「展覧会の絵」を通して演奏が繰り返されます。『増殖』は、”Snake Man Show”の笑い話の間に、ポップな曲があいだを埋めた音楽LP(レコード)でした。

”Japanese Business Man”

中学生だった我々の一番のお気に入りは、「ここ警察じゃないよぉー。」が繰り返される漫談でした。その次に、中国で落語家の寄席でした。今聞くと、一番うならされるのは、一つ目と二つ目の”Japanese Business Man”です。一つ目は、ちゃんとビジネス英語が話せるO O HI RA さんですが、二つ目は、ダメな日本人代表の英会話(?)です。強烈な日本人英語に対する”皮肉”だと思います。「ニコニコ笑いながら、わからない話にはウナヅクナよ!」と、このアルバムの笑い話の中に仕込まれた”毒”のある強烈なメッセージだと思えます。中学生の英語リスニング力では、意味をとらえきれていなかったと思います。

ミュージシャンのアルバムで漫談が入っているのは、私が知っているのでは他には、さだまさしさんくらいです。最近、AppleMusicで時々、Snake Man Showと”まっさん”の漫談を、音楽の合間に聞くのが”ささやかな楽しみ”になっています。(笑)

(写真:以前、皇居東御苑の二の丸庭園で撮影したお気に入りの写真。)