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#51 ルーブル”彫刻”美術館 と 黒川紀章

「彫刻」と言う文字がついています。三重県津市白山町にあるルーブル彫刻美術館は、フランスのルーブル美術館収蔵品から直接型取りしたレプリカを展示しているルーブル美術館の公認の美術館です。近鉄の名古屋線で榊原温泉付近で、一瞬、”デカい”ミロのビーナスなどの石像?が見えて驚く、あの美術館です。設計は、愛知県出身の有名な建築家黒川紀章さん。本名は、”きしょう”ではなく”のりあき”だったそうです。(知らなかった。)そう言えば、建築家の竹山聖さんも、”せい”ではなく”きよし”が本名だそうです。以前note記事に書いたル・コルビジュエも本名でないそうで、本名は”シャルル=エドゥアール・ジャヌレ=グリ”と全く違います。(普通ペンネームとはこういう例が多いはずです。)日本の建築家の方は、本名で書いて、読みはペンネームと言うスタイルが多いのでしょうか?

 さて、黒川さんと言えば、あの東京銀座にある中銀カプセルタワービルを建てたあの有名な方です。カプセル住宅ごとに交換可能なように設計されているそうなのですが、まだ一つも交換されていません。東京六本木の国立新美術館も設計されています。あのガラス曲面と内部空間、リズムにあふれ惚れ惚れします。以前note記事に書いたオランダのゴッホ美術館の別館も黒川さんだったんですね。

 ”ルーブル彫刻美術館”にはいくつか残念だなと思う点があり、その一つがあの黒川紀章さんのデザインが、今はあまり活かされていない気がする点です。オリジナル建物があまりメンテナンスされていなくて、屋外にあのデカいビーナスニケ(スポーツブランドのナイキはこのギリシア神話の女神ニケnikeに由来)だけが立っているならまだいいのですが、なぜか自由の女神が三体一緒に並ぶと時間と大きさの二つのスケールが違いすぎて???です。内部も建物のデザインが、”デカい”収蔵品に覆い隠されてしまっています。

 しかし、素晴らしい点もいくつもあります。その一つがレプリカなので、触ることが許可されているものがいくつかあります。ロゼッタ・ストーンもまじかでじっくり見れました。以前TV番組で、視覚障がい者の方にピラミッドから発掘された美術品を実際に手で触って”見てもらう”という映像を拝見しました。これぞ、公認のレプリカ!天晴(あっぱれ)”彫刻”! きっと天国の黒川さん喜んでいることでしょう。