#67 ♪ 花のお江戸は,”八百八町”〜 ♪

昔テレビドラマの「銭形平次」のオープニングで「花のお江戸は”八百八町” 」と舟木一夫さんが歌うのを聞いて,「へぇー,東京には808町あるんだぁー.」と思いました.

 ”八百八町”と”808町”の違い,お分かりでしょうか?そう,ゼロがあるかないかです.漢数字やローマ数字では,ゼロを入れずに数を書きます.一方,アラビア数字では,”わざわざゼロを埋めて”数を書きます.どちらが便利か,一長一短ですが,現代生活ではゼロを使うほうが便利なので,普段はアラビア数字を使います.(ローマ数字は腕時計とオリンピックの第○○大会の表記ぐらいしか見ないと思います.)

 ゼロの使い方は,大きく分けると二つあります.
 (その1)9+0=9     何もない
 (その2)808+2=810   桁がゼロ

 そう,桁を使うかどうかで大きな違いがあります.
 (漢数字の計算)八百八 足す 二 は,八百十
この計算,難しくないですか?(ローマ数字も同じです.)十のけたを文字で書いていたいので,「八 足す 二」のけた上がりを考えたときに,十のけたの値がゼロと書いてないと,いっしゅんかんがえないといけません.

 そもそも,ゼロがないと「ひっ算」ができません.ひっ算はずいぶん昔から使われていると私も思っていたのですが,ヨーロッパでは,「大航海時代」が訪れてインドやアメリカ大陸まで船で大量の物資を貿易で輸送するようになるまでは使わてれていなかったそうです.ゼロが輸入される前,港に船が入ると荷物を帳面に記入するだけで一週間以上かかったそうです.もうわかりますよね.ひっ算がない,ゼロがないので,「八百八 足す 二 は,八百十」の形式でひたすら計算して手書きしていたそうです.ここにインドからゼロが輸入され,ひっ算ができるようになったらガゼン計算が早くなったとのことです.

 日本の江戸時代に発展した数学「和算」でも,数字は漢数字で書き,まだ「等号」(イコール)が鎖国で輸入されていなかったので,左辺等辺が等しいという「等式」をひたすら,文章で「○○は○○となる関係を満たすところの,△をもちいて,,,」などと文章で書いていたそうです.これって,ギリシア時代の数学のスタイルを続けていたということです.これで,微分の考え方を世界とほぼ同時期に関さんたちは考えていたというのだから,すごいです.「絵馬」と同じように,難しい問題を作りそれを解いて「算額」として神社に奉納したというのは,たぶん日本ぐらいではないでしょうか?(他の国にもあるかもしれませんが,,私は今のところ知りません.)

 銭形平次の歌詞が,「808町」では趣(おもむき)がないので,やはり「八百八町」ですね.ところで,今日のこのnote記事は「六十七本目」,うーんこちらは「67本目」の方があうかな? ,,,お後がよろしいようで.