現代思想入門
千葉雅也さんの『現代思想入門』とても勉強になったし、面白かった。
既に持っている考え方を押し広げられるような、実生活で活かせることを拾い上げるような、読み方をした。
教科書に載るようなデータっぽいことは、読み流したから、全く記憶に残っていない。
「現代思想ってなに?」と聞かれても答えられないし、哲学者それぞれの考えはおろか名前も記憶していない。
褒められたものではないけど、私の読書体験なので、まあいいか。
哲学者によって打ち出された考え方と、私が経験から流れ着いた考え方が一致していた時「だよね〜」と勝手に共感できて楽しかった。
なんでもかんでも哲学的に考えればよいとは思わないけど、自分の苦しさやモヤモヤを哲学者の力を借りてスッキリさせることは、アリだと思う。
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特に覚えておきたい部分を記録しておく。
①支配や権力(P85)
「支配される人」は受け身なだけでなく、支配されることを積極的に望んでいる場合がある。
権力は、上から押し付けられているだけでなく、下から支える構造がある。
①’搾取(P138)
仕事や職場への善意や努力は「搾取されても快適であるために、みずから進んで工夫をしている」(原文まま)ことになりかねない。
「搾取されている自分自身の力をより自律的に用いることができないかを考える」(原文まま)べき。
→①と①’が組み合わさって、自分を自分で苦しめている人は沢山いそう。実際に私もそうだった〜。もう戻らない〜!
②マジョリティの倫理観(P90)
(以下、原文まま)
現代ならば、発達障害を考えるとわかりやすいでしょう。
昔だったら「風変わりな子」とか「こだわりがある子」と思われていた人たちが、「コミュニケーションの障害がある」、「人の心をうまく先読みできない」などと捉えられるようになりました。
つまり、マジョリティの社会のなかでうまくサバイブできないと価値づけされ、括られるわけです。
そうなって初めて、受けられるべきケアが受けられるようになったのだからよかったと多くの人は思うのかもしれませんが、しかしそれは、主流派の世界のなかで主流派のやり方に合わせて生きていくことが前提になっている。
マジョリティとは異質な人をマイナスに見る価値観が前提になっているのに、マジョリティに合わせるためのケアが受けられてよかったねというのは倫理的におかしい気がしませんか?
→これは、私が障害者の問題を考えた時に言語化できなかった感覚だ!ほんとうに、倫理的におかしいよなあ。
読書はたのしい〜〜〜
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