見出し画像

日出ずる国 日本 国号の由来、黄金の国ジパングと中国の交易

日本の呼称は数多くあり、自国における古い呼称としては、「大八洲(おおやしまくに)」「葦原中国(あしはらなかつくに)」「秋津島(洲)」「大日本豊秋津洲(おおやまととよあきずしま)」などがあります。
大和政権による統一以来「やまと」「おおやまと」と称し、今でも「大和魂」という言葉が使われる由縁となっています。

古代中国において、「扶桑」は、「日の昇る木」・「扶桑のもとにある地」を指しました。中国伝説では『山海経』に見られるように、はるか東海上に立つ伝説上の巨木であり、そこから太陽が昇るとされ、「扶桑」・「扶桑国」は、中国における日本の異称となりました。
のちに中国では、日本を「倭国」「わこく」と呼んでいたため、「倭」を「やまと」、「大倭」を「おおやまと」にあてて用いたり、その後「日本」と改めても、これを「やまと」と読んだり、又「にっぽん」「にほん」の両方の音読が生じたとされています。

はじめに「日本」が出てきた国書は、「日出處天子致書日沒處天子無恙云云」であると言われています。
日本最初の女性天皇 推古天皇(554年- 628年)は、推古天皇の甥である聖徳太子を皇太子、摂政に任命し、西暦607年に聖徳太子は、遣隋使 小野妹子に国書を携えさせ、約3か月におよぶ長旅の末、隋の都まで届けさせました。
この時、隋の皇帝、煬帝に渡した手紙はこのような書き出しで始まります。
「日出處天子致書日沒處天子無恙云云(ひ いずる ところの てんし より しょを ひ ぼっする ところの てんしにいたす つつがなきや)」「日出る処の天子、書を、日没する処の天子に致す。恙なきや。」
「東の帝から西の帝に手紙を書きます。元気ですか。」という意味で書かれたものです。

煬帝はこれを受け取り憤慨したとされますが、その頃の中国では日本がいかに近代的で、高い技術を持っていたかを知っており、「日いずる国」とは、ただ「東」を指し、「日没する国」とはただ「西」を指していると解釈されていました。
これを日本が太陽信仰の国であったことを考えたとき、隠された優位性を示していたかは定かではありません。
しかし、3か月にも渡る航海で、信頼のある者に持たせた手紙であり、開けてすぐに殺されかねない嫌味を文頭に置きはしないでしょう。

その証拠に煬帝が立腹したのは、「天子」は中華思想では1人で、それなのに他の首長が「天子」を名乗ったことに対してであり、「日出処」「日没処」との記述に対してではないと言われています。
中華思想とは、自民族中心主義つまり、漢民族を中心としたもので、中国の皇帝を世界の中心とみなし、天下を代表する中国の皇帝のみが「天子」と称して良いとの解釈です。

「日本」が国号として正式に定めた時期は明かではなく、近代の正式な国号は、明治憲法では「大日本帝国」、GHQのもと作られた現行憲法では「日本国」と再度戻って修正されています。

他の国では、イタリアの商人であったマルコ・ポーロが記したとされる『東方見聞録』で、ヨーロッパ諸国に、日本のことを「黄金の国ジパング」と紹介しています。
ただ、マルコ・ポーロは実際には日本に訪れておらず、ジパングの話は、中国で聞いた噂が元となっています。
「黄金の国」と呼ばれたのは、日本が中国に遣隋使を派遣した際、大量の砂金で交易をしていたことが理由だと言われており、古い中国語では日本をズーベン(ziben)と発音していたことから、「ズーベン」→「ジバング」→「ジャパン」となり、JAPANという異名が付いたと言われています。

また、その頃の中国では、「日本は特異で高度な文明を持つ国だ」と思われていました。
そして、「黄金の国」であることと同時に「人食い民族だ」とマルコ・ポーロに紹介したのです。
当然、人食い民族などというのは、吹聴です。言わずもがなですが、精神健康面からも衛生健康面でも野蛮な民族であれば、このような高度な文明を持つことは不可能だからです。
中国は「日本人は野蛮人」と伝えたかったわけではなく、他の民族に日本を侵略して欲しくなかったのです。それは、自国だけが貿易交渉できる特権を得たかったから。
日本人が中国を通過せずに、陸路で他国に外交に行くはずはなく、ヨーロッパ諸国が日本に行かないようにするために嘘をついて阻止したのです。
実際、その噂を恐れ、マルコ・ポーロも恐れをなして日本には立ち寄らず、日本には長い間ヨーロッパの訪問者が来ることはありませんでした。
親が子供に、危険な場所に行かないように、「人食い鬼がいるから」、「悪魔にさらわれるから」とおとぎ話を話すのと同じです。

この頃の日本と中国は、どちらが発祥かわからないほど対等な関係で文化の相互交換や交易を行っていたことがわかります。

#日本 #国号 #ジャパン #黄金の国ジパング #JAPAN #日本と中国の交易 #日いずる国  

執筆活動へのサポート、心より感謝申し上げます_(._.)_ 大変励みになります(⋈◍>◡<◍)。✧♡