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今日も今日とて、岬に行く

仕事が始まってから初めての週末。一年以上無職だったから、休みの有り難さを久しぶりに感じた。仕事といえど、1日4時間のパート。フルで働いてないのにこの疲れ具合ということが若干の不安要素。だけどここに来てまだ1週間強なので、不慣れな生活と久しぶりすぎる社会復帰に、自覚以上に参っているのかもしれないので、自分に優しくしたいと思う。

やっぱり大好き残波岬

この週末は珍しく晴れたので、海に出向いた。沖縄は美しい海が広がっているんだけど、私は断崖絶壁の岬がとても好き。圧倒的な自然を前に、人間は成す術がないと思い知らされる。その恐怖と自分のちっぽけさを感じたくて、私は岬に向かう。

なぜ沖縄移住をしたのか?職場の人にもよく聞かれる。理由を持ち合わせていない私はいつも回答に困る。だけどその理由の一つに圧倒的な自然の光景があるような気がする。ダイビングしたときに感じた、人間の無力さ。岬で見る冬の海、高波の迫力。岸壁に打ち付けられた波は砕け散っても勢いが止まらず、飛沫が岸壁を越えて遠く駐車場の車まで飛んでくる。

40年強生きてきて、自分の周りの事柄はある程度自分でコントロールして生きれるようになった。そのコントロール具合に、どこか嫌気がさしていたのかもしれない。生きることに対して傲慢になっている自分が、怖かったのかもしれない。

圧倒的な自然を前に、私は負けを認めざるを得ない。命の危機すら感じる恐怖。それを目の前にした時、万能感や傲慢さが蹴散らされて、単なる人間に戻れるような気がする。肩書きや経歴なんて、自然の前では通用しない。素のままの自分でいれることが、ただの一人の人間として在れることが気持ちがいい。

あちらこちらに生命力

ここに来て10日ほど経つ。ありがたいことに仕事もスローペースでやれそうだし、先のことをじっくり考える時間もある。せっかちな性分なので焦って先走って色々不安になることは多い。「で?ここからどうするの?」と言ってる自分がまだいる。先を急がせる私はまだ健在で頭の中をグルグル走る。今までそうやって生きてきた。立ち止まることなく先のことを早く早く。

「よんなーよんなーな場所だよ」と教えてくれた沖縄の友達。(よんなーとはゆっくりという意味)私自身もよんなーな場所に馴染むように、ゆっくりシフトチェンジしていけたら、と思う。
焦って煮詰まったり、悩んだら、また岬に行こう。