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隙ありまくり芸人TAIGAさん

TAIGAさんという芸人さんが癒しだ。

オードリーの師匠のTAIGAさん。弟子は売れまくっているのに、自身はなかなか跳ねない。跳ねようとしたタイミングは何度かあったらしいが、ことごとく逃してきたらしい。

その経緯をいじっている「しくじり学園お笑い研究部」がめちゃくちゃ面白かった。でも、単に面白かっただけじゃなかった。緩んで笑っていた。構えずに安心して笑っていることが珍しかった。

今のお笑いが嫌いなわけじゃないし、むしろ好きだ。批判したわけでは全くない。だけど、お笑いを見ていてどこか緊張しているなぁと感じることが最近ままある。

伏線回収があるから、その伏線がどこなのか逃さないために「ちゃんと」見ている。風刺めいたことを挟むから、どこか何かを学ぶような姿勢で見ている節がある。他の人とは違った視点を持っていてオリジナリティに溢れた言動があるから、どこかセミナーを見るような姿勢になっている時もある。

要は気が抜けないのだ。どこか緊張している。

先のキングオブコントも、確かに面白かった。空気階段の一本目は久しぶりに声を上げて笑った。本当に面白かった。だけどなんかやっぱりどこか緊張してしまっていた。勝ち上がるまでの過程や裏のドラマなぞを勝手に想像して思いを馳せたりしてしまうと、単純に手放しでゲラゲラ笑うってことはない。

一方でTAIGAさん。本人が隙だらけだから、こちらも構える必要が全くない。伏線なんてない。「お前誰だよ、レッツゴー!!!」なんてもう考える余地すらない。何も考えずに笑える。TAIGAさんの必死な姿、ちょっと(いや、かなり)ズレているところ。その姿には虚勢を全く感じない。

TAIGAさんもかっこいいことを言おうとしている時がある。だけどその「かっこいいことを言おう」という気持ちがだだ漏れし過ぎて、ど素直さが丸出しだったりするから、浅ましさが全くなく、むしろ微笑ましくなる。小さい子どもがカッコつかないのに一生懸命カッコつけようとしている感じ。そこには敵意などない。他人にマウントを取ろうと難しい言葉を並べたり小難しい話をしたりする大人と比べたら、TAIGAさんのそれは、ただただピュアだ。だから安心する。マウント野郎にはこちら側も構えてしまうけれど、TAIGAさんのような人には構えずに済むし、逆に見ていると心が緩んでくる。

TAIGAさんのお笑いは、私にとっては癒しだ。馬鹿にされたくない、なめられたくない。ちゃんとしなきゃいけない。普通に生活していても、社会で生きる際には、何らかの鎧を着て防御しているところがある。それこそマウント野郎がそこらじゅうに蔓延っているし、何なら私自身がマウント野郎になっている時もある。(恥)

生活の中で「笑う」って緩む時間。ピンと張った糸をグニャって緩ませる時間。お笑いは人を緩ませてくれるとってもありがたい芸事だ。

だけどなんだかちょっと緊張するなぁ、頭使っちゃうなぁって最近感じてた。お笑いを見るときに、どこかちょっとだけ疲れた気分になっていた気がする。

そんな中現れたTAIGAさん。隙ありまくりの芸人さん。後輩からいじられながらも、愛されているその姿を見ると、そんなに虚勢張らなくてもいいのかもなぁなんて感じて、こちら側も緩んでくる。あの隙こそが、愛される秘訣なのだろう。マウントなど使わずとも、周りと楽しく笑って生きていく方がよっぽど楽しいだろうなぁって思う。

TAIGAさんは周りにいじられてこそ、最高に輝く。1人で頑張らなくてもいいし、助けてくれる人はいる。TAIGAさんを見ていると、そんな風にも思う。そこに漂う優しさを感じて、ますますほっこりしてくる。

心が疲れてしまった時や何も考えずに笑いたい時は、オードリーのラジオ(カスミンの浮気成敗の回が最高に面白い)か、TAIGAさんの動画を見る。笑うことは私にとって心を回復させる大切な癒しだ。生きていくことに必須だ。

隙だらけのTAIGAさん、これからもっと売れますように!

何も考えずに笑いたいときに、どうぞ↓