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滝行の滝は、SMの鞭で叩かれるより痛かった。

原因不明の体の重さに耐えきれなくなったので、先日滝に打たれてきた。

そもそも素人ができる滝行ってどこにあるのん?ってことだったので、グーグル先生に色々教えてもらった。

場所によっては月に1度、3000円を払うことで本格的な滝行ができるとのこと。画像を見てみると、すさまじい水量に打たれている白装束の姿が。

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さすがに一発目でこれは不安だったので、365日誰でも気軽に滝に打たれていいよーっていうお寺にした。

場所は、奈良の吉野にある「龍泉寺」。はるばる電車で1時間、そこからバスで山を1時間半のぼって到着した。

到着してすぐに感じたのは、「寒っ!」と「空気うまっ!」だった。

「富士山の空気の缶詰」がバカ売れし、「アホやん?」と思っていた昔の私だったが、今なら分かる気がする。人がいないということは、空気がうまいということなのである。

tinderで知り合った女の子を連れて龍泉寺へと向かう。滝行しか見えてなかったので気付かなかったが、温泉で有名な宿泊地らしい。滝の後、温泉に行こうということになった。

龍泉寺はいいお寺だった。京都や奈良の数々の神社仏閣を巡ってきた私だが、規模感も雰囲気も洗練されていて好きだった。お参りした後、早速白装束を借りて滝へと向かった。そこには、先客達がいた。

男女がそれぞれ4名ずつ、自前の白装束を着ており、いわばその道の「ガチ勢」だった。なんか鈴?笑のようなものを鳴らしながら、滝に打たれ念仏を唱えている。なんだか私たちは場違いなところに来た気がした。だって手ぶらだし、念仏も分からない。でもまあせっかく来たんだし、とりあえず打たれて帰ろうということになった。

ガチ勢と交代し、私たちの番になる。申し訳程度に着ている白装束はペラッペラで、立っているだけでかなり寒い。この時点でガクブル震えていた。

私は寒さを振り払うように、「おねがいします!!!」とでかい声で言い、一礼した。そして滝に近寄り、合体した。

重!!!!!!!

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(滝に打たれる私)

第一印象はそれだった。ぱっと見、大して、いやまったく水量のない滝だが、実際に打たれてみるとボクサーのストレートを連続して受けているみたいだった。

本気で呼吸ができなくなり、「えへっえへっ」みたいな女の子のような声が出る。30秒くらいオカマと化していたが、慣れてくるとマラソンの「ヒッヒッフー」の呼吸法でしのげるようになった。私はその後、「南無阿弥陀仏」を20回唱えて、滝から引き上げた。

引き上げたあとは、もうずっとガクブル震えていた。寒さで震えているのか、緊張で震えているのか分からなかった。その後服を着ても震えは止まらず、温泉に入ってようやく止まった。とても不思議な体験だった。

「滝行に行くと心も体もスッキリする」と言われるが、私も同じ感想を持った。今は原因不明の体の重さに苦しむこともなくなった。

滝行行ってみたい!という人には「ぜひぜひ!」とおすすめしたいが、くれぐれも滝の威力をなめない方が良い、とだけは念を押しておく。

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