「見る」ことによって「見えてくる」
前を見る
パラグライダーのレッスンで「前を見て」をという言葉を一番多く言っています。
初心者は下を見たり、あらぬ方向を見る、キョロキョロします。
初めて飛ぶという緊張感、パラグライダーの翼の力は自分の体重を浮かび上げるだけの力がありますからどんなに言ってもびっくりします。
目線の方向が定まらないため、進行方向が定まらず、姿勢が安定しない、パラグライダーの方向も定まらないという悪循環に陥ります。
見えない何かと戦っている状態です(笑)
これはよく私が例えで言っていることです。
初めて自転車に乗った日のことを思い出してください。
下を見ている間はすぐに転んでしまいます。
しかしある時前を向いて姿勢と速度が安定すると、真っ直ぐに安定して進むことができます。
そうするともう下を向くことができません。
視点、視野の広がり
視点と視野、解像度という点で考察します。
まずは目標という点を設定します。
そうすると目標から現在地まで直線が引けます。
この直線上を進むという行動計画が具体化されます。
点と線の関係です。
スキーのレッスンでは、ストックを前に伸ばしたり、指先を伸ばすなどしていました。
重要なのが目線になります。
目標からの直線をイメージでき、目線が定まるため姿勢が安定します。
ここでみなさんに質問です。
自転車や車など慣れた乗り物の操作で、何か目標を意識していますか?
無意識に目標は設定され、線はセンターラインや側溝などで広くイメージされ、すでに奥行きという空間に視野が広がっています。
視野が目標を中心とした空間に広がり、どこを見ているという意識はないのではないでしょうか。
視野が広がることによって、進行方向が定まっていて、進行方向にある変化を観察しているという状態になっています。
他の車の動向や信号、横切る歩行者などを観察し予測する、自動車運転で言われている「予測運転」です。
変化や危険が予測されるとそこに注意が注がれ、危険を避ける行動に移ることができます。
点から線、空間というように視野が広がり、解像度が上がり、予測まで認知領域が広がっていくのです。
見るということは、行動を意思決定するために重要な一歩だと言えます。
見えていなくても前を見なければ、先も見えてこないものなのです。
また見ることによってやがて見えてくることもあるということです。
静岡県富士宮市朝霧高原朝霧アリーナという広い芝のやさしい斜面で、一人で飛ぶパラグライダー体験を開校しています。
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