DTM制作裏話『大人はみんな嘘つきだ』
どうも。ロックが好きなボカロPの本田あいるです。今回は11/30に公開した『大人はみんな嘘つきだ』について書いていきたいと思います。
制作のきっかけ
この曲は前作『あの日音楽を諦めた僕へ』の制作中に書いたのですが、コード進行もBPMもほぼ同じだったのでCover曲とリメイク曲を挟む形で公開しました。もっと期間を空けるべきだとは思ったのですがこの曲より良い曲を作れる気がしなかったので…。サビの「全部嘘だ」の部分から少しずつ膨らませていった感じですね。
歌詞のモチーフ
実はこの曲の歌詞にはモチーフがあります。30代以上の人は分かると思うんですが、反町隆史さんの名曲『POISON』の歌詞をオマージュしています。ロックぽいリフと印象的なサビの歌詞が昔から大好きでよくカラオケで歌っていました。言ってる事とやってる事が違う嘘つきな大人達に自分が少しずつ変わっていく日常を終わらせたい。そんな曲のイメージが大好きだった曲と重なってると感じたのでオマージュしてみました。あの歌詞が作れる反町さんは作詞の才能があると思います。それくらい素晴らしい楽曲です。
リファレンス楽曲
この曲はロックなバンドサウンドにしたかったのでKANA-BOONの『Fighter』という曲を参考にしました。ギターの古賀 隼斗さんのギターサウンドはメッチャ良いんですよね。あんな音が出したいです。
コード進行
intro
D E C#m F#m/D E F#m/D E G#dim F#m/D E F#m
Aメロ
DM7 E C#m F#m/DM7 E C#m F#m/DM7 E C#m F#m/DM7 E C#m F#m/
Bメロ
Dadd9 E C#m F#m/Bm7 F#m7 E DM7 C#7
サビ
D E C#7 G#dim F#m7 E/D E DM7 C#7/D E C#7 G#dim F#m7 E/D E DM7 C#7/
Cメロ
D E C#7 G#dim F#m7 E/D E DM7 C#7/D E C#7 G#dim F#m7 E/D C#m7 F#m7 C#7
使用したプラグイン
ドラム
今回の主役は新しく導入したドラム音源「EZ Drumer3」です。以前からEZ Drumer2を所有していたのですが、使いやすい機能面とは裏腹に音質に納得できなくてずっとSSD5を使っていました。しかし3にアップデートされたことで音が格段良くなっただけでなく、Bandmateという曲に合わせて自動でドラムパターンを作成する神機能まで搭載されています。MIDIの編集も簡単だし音も良いコスパ最強のドラム音源だと思います。仕上げにバスコンプを軽くかけてあげるだけで即使える音になってくれますよ。
ベース
ベースはMODO BASS2のジャズベのドライ音にPlugin Alliance Ampeg B15Nで音作りした後にizotope Neutron3で整えています。そのままだと低音がだぶついていたのでTrackspacerというマスキングしている音域にダイナミックEQをかけてくれるプラグインでキックが鳴っている時だけベースの低音を抑えています。こうすることで存在感はあるけどキックの邪魔にならないベースに仕上がってくれます。
ギター
今回はギターの音が凄く気に入っているので細かく書いてみたいと思います。
使用ギターは現在のメインであるYamaha RSS20で主にリアのハムバカッカーをTone、VolumeともにMAXで弾いています
そのドライ音にAMPLITUBE5で音作りしています。
使用したのはMiniPlex20というFRIEDMANのPINK TACOをモデリングしたアンプなんですが音がとにかく最高です。Marshallぽいんだけどモダンな音も出せる万能なアンプです。クリーン、クランチ、ハイゲインと全てが使える音になってくれるしノブも少ないのでセッティングに悩むこともありません。このアンプをクランチ気味にした状態で前段にTSを挿してブーストするとミドルの効いた格好良いサウンドになります。最後に出過ぎている不要な帯域をグライコで削ってコンプで整えたら完成です。ギターソロの部分はアンプとTSのGainを少し上げてミドルを強調するようにEQを調整した後、ディレイとリバーブで色づけしています。
AMPLITUBE5で作った音をステレオにして左右に振った後にTR5 BRITISH CHANNELのNick Davisのギター用プリセットで最終的なサウンドに仕上げます。このプリセットが本当に優秀でどんな音でも良くなるんですよね。逆にこの設定でダメな時はアンプの音作りをやり直すくらい信頼しています。TR5は色んなエンジニアのプリセットが多数あり、どれもクオリティが高くて重宝しています。最後にWaves Centerでボーカルを邪魔しないようにMIDを下げて完成ですね。
ボーカル
この曲のボーカルは主にizotopeのNectar3で音作りしています。色んなプラグインを使ってきましたが結局これが一番楽に良い音にしてくれます。sonnox Claroで不要な低域をカットした後Nectar3のAIマスタリングのモダンモードを強めにかけて完成です。本当にこれだけで良い感じになるんですよね。ここに空間系のSSL FlexVerb、TR5 Fame Studio Reverb、Soundtoys Echo Boyをセンドでかけています。
マスタートラック
マスタートラックにはsonible Smart Comp2のMIX Rockというプリセットを使い-3dBくらいのリダクション量になるようにスレッショルドを調整した後、izotope Ozone9で音圧を上げて完成です。ミックスやマスタリングなどの難しい作業はAIに任せてしまった方が曲作りに専念できるので色んな作業をしなければならないDTMerには本当におすすめです。ちょっとお金はかかりますが……。
長くなりましたが最後まで読んでいただいてありがとうございます。
今後とも宜しくお願いします。
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