DTM制作裏話『真夜中とクリームソーダ』
どうもロックが好きなボカロPの本田あいるです。今回は6/23に投稿した新曲の『真夜中とクリームソーダ』について書きたいと思います。
制作のきっかけ
この作品はピアプロでAzukiさんのイラストに感銘を受けて「この作品に合う曲を作りたい」と感じて作り始めました。夜の街にキターを持った青年が佇むこの雰囲気がとてもエモくて美しいイラストです。歌詞先、メロ先はあるけどイラスト先は初めての経験でした。
シティポップというジャンル
正直に言うとロックばかり聴いてきた僕にとってシティポップは未知のジャンルです。岡山の田舎者が東京みたいな都会にビビるような感覚になりました。シティポップのお洒落なテンションコードにエレピの優雅なサウンドがこのイラストの儚い雰囲気に合う気がしました。ただ最終的にかなりロック寄りな感じになってしまったのが僕らしいかな。
コード進行について
Key=B♭ BPM=114
イントロ
A#M7 C7 Dm7 F7×3/ A#M7 C7 Dm7
Aメロ
A#add9 C#dim Dm7×4/
Bメロ
A#add9 C#dim Dm7×3/A#add9 C7 Dm7 F7
サビ
A#M7 C7 Dm7 F7×2/ A#M7 C7 C#dim Dm7/ A#M7 C7
コード進行はとてもシンプルで時折はさむディミニッシュコードがアクセントになっています。特にサビにあるA#M7 C7 C#dim Dm7はベース音が滑らかに繋がていくので音楽的なエモさを出すポイントです。そしてAメロで使っているアドナインスコードも曲にお洒落感を出してくれるのでおすすめのコードです。
歌詞について
この曲の肝になっているサビの歌詞は鼻歌の段階から出来ていてそこから繋げていくように作詞していきました。クリームソーダは僕が幼少期に祖父がデパートで食べさせてくれた思い出の食べ物です。家庭の事情であまり両親と一緒にいる時間が無かった僕にとって、祖父とクリームソーダを食べている時間はとても幸福でした。祖父が亡くなった後の世界=真夜中、クリームソーダを食べながら夜明けを待つ僕。祖父がいない世界を受け入れるための歌詞ですね。少しでも感謝の気持ちが届けばと思っています。
使用したプラグイン
ドラム=SSD5
ベース=MODO BASS2
エレピ=ANALOG LAB V
シンセリード=Thorn&MASSIVE X
アルペジオ=Synthemaster One
今回のソフト音源ではMODO BASS2を初めて使用しました。
これは定番のベース音源の最新バージョンでよりリアルにベースを打ち込むことができるようになったようです。新しくMIDIフレーズも収録されたのでベースが弾けない人でも安心して使うことができます。機能は制限されますが無料でもジャズベだけ使用することができるので持っていない方は試してみる価値はあると思います。CPU負荷も軽くて音が良いおすすめのベース音源です。
曲の主役であるエレピはATURIAのANALOG LAB Vを使用しました。これはオーディオインターフェイスを買った時のオマケなんですが音が良くて使いやすいので重宝しています。ただ弄れるパラメーターが少ないので、僕のようなシンセ初心者以外の方にはおすすめできないです。これを買うくらいならSERUMなどの有名なシンセを買った方が将来的に良いと思います。
サビの裏で鳴っている印象的なアルペジオはこのSynthemaster Oneで作っています。エレピを同じMIDIファイルを張りつけただけですが、この音が無いとサビの華やかさが出ないので今作ではかなり重要なパートになっています。
この各トラックにizotopeのNEUTRON3を挿して微調整しています。音量は各セクションごとにオートメーションを描いて調整しました。
ギターの音作りについて
この曲では地味な印象ですがギターの音作りはいつも時間をかけています。特にアンプシミュレーターは新しいものが発売されると買ってしまう病気に罹っているので、毎回使用プラグインが変わっちゃいます。
基本的な音はSOFTUBEのAMP ROOMに収録されているFender系アンプで鳴らしています。左のバッキングはチューブスクリーマーで粘っこいサウンドにしています。このプラグインの特徴は音作りの幅は狭いけど音がリアルで生々しいところですね。
これは最近のセールで手に入れたSOFTUBEのキャビネットシミュレーターです。CELESIONという有名なスピーカーのメーカーと共同で開発されたそうなんですが音がメッチャ良いです。僕はギターサウンドの肝はキャビネットの設定だと思っているので、ギターの音作りで困っている人はここを意識してみると解決するかもしれません。
マスタリングについて
もうこれはizotopeのOzone9様のおかげですね。シャドウヒルズのコンプで全体を馴らした後にOzone9のAIアシスタントを使って調整していきます。左右のバランスを確認してYouTube用のラウドネスにして書き出して完成です。
長くなりましたが最後まで読んでいただいて本当にありがとうございます。これからも宜しくお願いします。
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